【京都新聞杯】プレリュードシチー、ベラジオボンドらが挑む“東上最終便” カギ握る「重賞惜敗馬」と「1勝クラス組」の比較

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キャリアがモノをいう

京都新聞杯の上位馬にはダービーの優先出走権こそないが、ここを勝てば賞金順で上位に躍り出る。いわば東上最終便だ。

この時期に移った最初の年にアグネスフライトがダービーを勝ち、2013年にはキズナが、2019年にはこのレース2着だったロジャーバローズもダービー馬に輝いた。ダービー2着はハーツクライ、インティライミ、サトノラーゼン。3着もトーセンホマレボシがいる。ここ4年は結果を残せていないが、いつつながってもおかしくない。1週前の青葉賞とは違う。データは21、22年中京代替を含め、過去10年分を使用する。

1番人気【2-3-0-5】勝率20.0%、複勝率50.0%、2番人気【2-2-2-4】勝率20.0%、複勝率60.0%など4番人気以内はほぼ互角で、ダービー出走がかかったレースらしく上位のせめぎ合いが激しい。

一方で、7、8番人気1勝ずつなど伏兵も黙っていない。毎年激戦が繰り広げられるレースであり、どの馬にもチャンスはある。

キャリアの好走ゾーンは3戦【1-4-1-13】勝率5.3%、複勝率31.6%あたりから立ち上がり、4戦【2-1-1-18】勝率9.1%、複勝率18.2%、5戦【3-1-5-18】勝率11.1%、複勝率33.3%、6戦【2-2-1-17】勝率9.1%、複勝率22.7%がゾーンになる。また8戦も【2-2-1-5】勝率20.0%、複勝率50.0%と目立っており、キャリアを積んだ馬たちが優勢。ここまできたらフレッシュさより逞しさを上にとろう。

前走1勝クラスは距離短縮に注目

京都2歳S2着以来の実戦復帰となるプレリュードシチー、毎日杯3、4着べラジオボンド、ファーヴェントなど重賞惜敗馬たちと1勝クラスを勝ちあがった馬たち。今年もこの戦力比較がカギだろう。

前走GⅢ【3-1-3-10】勝率17.6%、複勝率41.2%、GⅡ【0-1-1-3】複勝率40.0%は4着以内【2-1-3-3】、5着以下【1-1-1-10】。大敗からの巻き返しも頭に入れておかないといけないが、基本は重賞惜敗がラインとなる。上記3頭は圏内だ。

特に毎日杯は重馬場で行われ、メイショウタバルが一気に逃げ切った特殊な展開だった。べラジオボンドは1秒1差3着という記録ほど負けていない。距離が延びていいのはファーヴェントだろう。

対する前走条件戦は1勝クラス【6-6-5-45】勝率9.7%、複勝率27.4%、未勝利【0-0-0-27】。1勝クラスの距離別では、2200m超からの短縮が【4-0-1-7】勝率33.3%、複勝率41.7%と目立つ。京都で行われた8回だと【3-0-0-6】勝率、複勝率33.3%とやや極端。勝ち馬は前走1着が2頭、4着が1頭と4着以内なら好走圏内だ。アザレア賞を勝ったインザモーメントやゆきやなぎ賞2、4着ヴェローチェエラ、ハヤテノフクノスケまで注意しよう。

京都8回に限ると、前走2200m未満からの延長は【2-5-2-31】勝率5.0%、複勝率22.5%で中京施行よりアテになる。急坂と平坦の違いだろう。アルメリア賞1着ギャンブルルームと同じ前走阪神1勝クラス、距離延長は【2-3-2-17】勝率8.3%、複勝率29.2%。さらに1着だった馬に絞ると【2-2-1-7】勝率16.7%、複勝率41.7%と確率が上昇する。札幌2歳S3着の実績馬であり、前走を契機に再浮上を目論む。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。



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