デルビー・デル・ソーレはドロー決着…守護神スヴィラール躍動ローマが土壇場弾でしぶとく勝ち点1獲得【セリエA】

[写真:Getty Images]

セリエA第34節、ナポリvsローマが28日にスタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナで行われ、2-2のドローに終わった。

フロジノーネ、エンポリと格下相手の連戦を1分け1敗で終えて来シーズンのヨーロッパ出場権獲得へ崖っぷちの状況に立たされる8位のナポリ。荒れ模様の末に0-2で敗れた前回対戦のリベンジを期す今回の一戦では、先発3人を変更。エスティゴーア、ナタン、ジエリンスキに代えてオリベラ、ラフマニ、カユステを起用した。

一方、前節のボローニャとのシックスポインターを落とすも、第32節延期分のウディネーゼとの“20分ゲーム”をクリスタンテのラストプレー弾で競り勝って5位を死守したローマ。週明けにレバークーゼンとのヨーロッパリーグ(EL)準決勝1stレグを控える過密日程の中、昨季王者相手にシーズンダブルを狙った。デ・ロッシ監督はボローニャ戦から先発5人を変更。サスペンションのジョレンテ、パレデスの代役に肺気胸から回復したエンディカ、ボーヴェ、エイブラハムに代えてアズムンを最前線で起用した。

激戦必至の“デルビー・デル・ソーレ”は立ち上がりから拮抗した展開に。

開始直後にはローマが得意のセットプレーの流れからペッレグリーニに決定機もボックス中央でのヘディングシュートは枠の左に外れる。以降はホームのナポリがボールを握って押し込んでいく中、オシムヘンやクワラツヘリアがボックス内で仕掛けるシーンを作り出す。

前半半ばを過ぎると、コンディション面での優位性、地の利があるナポリが完全に主導権を掌握。ボール保持率はほぼ五分も、再三ディフェンスラインの背後を取って決定機を創出する。だが、30分のオシムヘンのシュートはGKスヴィラールの好守、35分のザンボ・アンギサのGKとの一対一はシュートミスに。

終盤にかけても猛攻を仕掛けるナポリは厚みのある仕掛けからクワラツヘリアやポリターノ、ディ・ロレンツォと再三決定的なシュートを放ったが、ローマ守護神の驚異的なセーブやクリスタンテらの身体を張った守備に阻まれ、シュート14本枠内4本と相手の3倍以上のシュートを浴びせかけたが、前半のうちにゴールをこじ開けることはできなかった。

互いに選手交代なしで臨んだ後半も試合展開に大きな変化はなし。立ち上がりからナポリがより多くの決定機を作り出すが、守護神スヴィラールを中心とする鉄壁のローマ守備陣に対して、最後のところでフィニッシュの精度を乱される。

すると、58分には後半も守勢だったローマにビッグチャンスが舞い込む。ボックス内の競り合いでアズムンがアフターでDFファン・ジェズスに蹴り上げられると、このプレーでPKを獲得。これを名手ディバラが難なく左隅に蹴り込んで先制に成功した。

決定機の数では割に合わない展開となったナポリだったが、思わぬ形から同点ゴールが生まれる。64分、ボックス手前でマンチーニのボールをうまく突いたカユステからボールを引き取ったオリベラがボックス左からシュートを放つと、ブロックを試みたクリステンセンにディフレクトして絶妙なループシュートの形となったシュートがGKスヴィラールの頭上を越えてゴール右隅に決まった。

1-1のイーブンに戻った試合はここからよりオープンな展開に。ペッレグリーニの鋭いミドルシュートでローマが勝ち越しに迫れば、ナポリも厚みのある攻撃でオシムヘンやクワラツヘリアがボックス内で際どいシーンを創出。

そういった中、80分にはボックス付近でクワラツヘリアとレナト・サンチェスが交錯。一度プレーが流されたが、オンフィールド・レビューの結果、ボックス内でレナト・サンチェスの足裏がクワラツヘリアのふくらはぎに入ったとの判定でナポリがPKを獲得。これをキッカーのオシムヘンが冷静に右隅へ決め切り、ホームチームが試合を引っくり返した。

ここから逃げ切り態勢に入ったナポリはローマのパワープレーを警戒してか、15分前に投入したハメド・トラオレを下げて長身DFエスティゴーアを投入。

だが、今季試合終盤で勝負強さを発揮するローマがナポリの警戒していたセットプレーからゴールをこじ開けた。89分、左CKの場面でディバラの左足アウトスウィングのクロスに競り勝ったエンディカのヘディングをゴール前のエイブラハムがうまく頭でコースを変えて右隅に流し込んだ。当初、副審がオフサイドの旗を上げていたが、セミオートオフサイド判定の結果、ディ・ロレンツォが残っていたとの判定でローマのゴールが支持された。

その後、5分の後半アディショナルタイムにはより勝ち点3がほしいホームチームが猛攻を仕掛けたが、鉄壁のスヴィラールを前に3点目を奪うことはできなかった。

そして、今季2度目のデルビー・デル・ソーレは2-2のドローに終わり、守勢の展開の中で勝ち点1を持ち帰る形となったローマがより満足感を持って試合を終えた。

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