サッカーJ3第11節-。福島ユナイテッドFCは28日、ホームのとうほう・みんなのスタジアム(福島市)でいわてグルージャ盛岡と対戦し、9―0の快勝で、これまで8点だったJ3の1試合最多得点記録を塗り替えた。勝利は3月17日の松本山雅FC戦以来8試合ぶり。通算成績は3勝2分6敗で、順位は13位に浮上した。
福島は次戦の5月3日、アウェーの愛鷹広域公園多目的競技場(静岡県沼津市)でアスルクラロ沼津と対戦する。午後2時開始予定。
【評】福島が攻守で岩手を圧倒し、大勝した。前半16分、FW塩浜の得点で流れをつかむと、同20分にはMF針谷の縦パスを起点にDF松長根が追加点を挙げた。6点リードで迎えた後半も攻勢の手を緩めず、さらに3点を追加。岩手のシュート数を3本に抑え、付けいる隙を与えなかった。(熊田紗妃)
塩浜ハット、猛攻けん引
9得点の大勝で、遠かった「勝ち点3」を8試合ぶりにつかみ取った。J3の1試合最多得点記録を塗り替える文句なしの勝利に、寺田周平監督は「見ていて楽しいサッカーだった。選手が改めて自分たちのスタイルを認識してくれたと思う」とたたえた。
約1カ月、長いトンネルに入っていた。「攻撃的サッカー」を持ち味に果敢に得点を狙うのが福島のスタイルだったが、シュート数やボール保持率で相手を上回っていても、ゴールに結び付かない試合が続いた。
それでも指揮官は福島のサッカーを貫き、チームが間違っていなかったことを結果で示した。ハットトリックを達成したFW塩浜遼は「必ず点を取ってやろうという気持ちだった」と満足げな表情。前半16分に塩浜が左足でゴールネットを揺らすと、チームは勢いに乗って前半だけで6得点を挙げた。後半も攻めの姿勢は変わらず、FW城定幹大のJリーグ初ゴールなどで3点を加えた。
もどかしい空気を一変させるような勝利にも、「1試合勝っただけ。まだまだ突き詰められるところはある」と塩浜。アウェーの勝利でさらに波に乗り、上位チームの背中を捉えるつもりだ。(熊田紗妃)