高校生の娘がフリマアプリで稼いでいる「月3万円」の収入。親が「収入として申告」しないとダメでしょうか?

確定申告が必要なケースとは?

確定申告が必要なケースは、給与所得者(アルバイト)であるかどうかで異なります。
給与所得者であっても確定申告が必要になるのは、以下のような条件に当てはまる人です。

__●給与の年間収入金額が2000万円を超えている
●1カ所から給与の支払いを受けていて、給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える
●2カ所以上から給与の支払いを受けていて、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得および退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える__

一方で、給与所得者ではない方の場合は、フリマアプリなどで得た収入が48万円以下であれば「48万円」の基礎控除が適用されるため、所得税は発生しません。
たとえ「生活に使用した資産以外のもの」を売却していたとしても、月3万円ずつの売り上げでは年に48万円以上になる可能性は低いと考えられます。

子どもがフリマアプリで得た収入は申告の対象になるのか?

次のような副収入がある場合は「雑所得」に該当し、確定申告が必要です。

__●衣服、雑貨、家電などの資産を売却したことによる所得
(ただし、古着や家財など生活に使用した資産の売却による所得は非課税なので、確定申告は不要)
●自家用車などの資産の貸し付けによる所得
●ベビーシッターや家庭教師などの人的役務の提供による所得__

アルバイトの収入に加えて月3万円の副収入がある場合には、年間20万円を超えているため、確定申告が必要と考えられます。

子どもの確定申告を親が代わりに手続きしても問題ない?

子どもがフリマアプリで収入を得て確定申告が必要な場合、作成済みの申告書があり添付書類などがそろっていれば、親が代わりに手続きすることは可能です。

その際の詳しい手続き方法などについては事前に各税務署に確認しておくとよいでしょう。

「フリマアプリで収入を得ている10代」はどのくらいいる?

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が実施した「10代の金銭感覚についての意識調査2023」によると「フリマアプリで収入を得ている」と答えた10代の割合は12.5%、「得ていないが、得たいと思う」と答えた割合が49.9%でした。

また、フリマアプリによるひと月当たりの収入金額の平均は2317円ということです。
収入金額ごとの割合を表1にまとめたので、参考にしてください。

表1

※SMBCコンシューマーファイナンス株式会社「10代の金銭感覚についての意識調査 2023」を基に筆者作成

給与所得者かどうかで申告が必要な金額が異なる

給与所得者であっても、給与所得以外の所得が20万円以上ある場合は確定申告が必要です。
しかし、給与所得者ではない場合は基礎控除が適用される48万円までは申告の必要がないため、フリマアプリで私物を売って収入を得ていても、月3万円程度であれば申告しなくても問題ない可能性が高いでしょう。

ただし、「フリマアプリで収入を得ている」と答えた10代の収入金額の平均は2317円なので、月3万円の収入は大きすぎるかもしれません。
一度子どもと話し合ってみることをおすすめします。

出典

国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
国税庁 No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合
国税庁 No.1199 基礎控除
国税庁 確定申告書等作成コーナー よくある質問 Q 私の申告書を家族が提出する場合、本人確認書類の写しはどうすればいいですか?
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社 10代の金銭感覚についての意識調査 2023 (5ページ)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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