21美の「プール」1日再開 地上部のみ無料開放

5月1日から無料で鑑賞できる「スイミング・プール」の地上部=金沢21世紀美術館

  ●大型連休に合わせ

 金沢21世紀美術館は29日、館内の大型展示作品「スイミング・プール」について、5月1日から地上部分を無料開放する方針を固めた。元日の能登半島地震後、同作品を含む有料の「展覧会ゾーン」は閉鎖が続いているが、6月22日の全館営業再開に先駆けて人気スポットを公開し、大型連休中のにぎわい創出につなげる。

 「スイミング・プール」は、地上部と地下部から鑑賞できるレアンドロ・エルリッヒ氏(アルゼンチン出身)の作品。2004年10月の開館以来、高い人気を維持しており、館を代表するスポットの一つとなっている。

 同館は、元日の地震で展覧会ゾーンのガラス天井が損傷、落下するなどの被害を受け、約1カ月にわたって休館を余儀なくされた。2月上旬に交流ゾーン(無料)の一部で営業を再開したものの、集客力の高いプールには立ち入れず、来館者からは「プールが見たかった」と残念がる声が聞かれていた。

 4月は、近隣の兼六園や金沢城公園が観桜期のにぎわいで過去最高の人出を記録する一方、関係者によると、21美の入館者は伸び悩みが続いた。こうした状況を受け、大勢の観光客が訪れる大型連休に合わせ、安全が確認されているプールの地上部のみ無料開放することにした。全館で営業を再開する6月22日以降は有料となる。

 金沢市の担当者は「21美の顔であるプールを目当てに訪れる人は多い。たくさんの人に来館してもらい、まちなかのにぎわい創出につなげたい」と話した。

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