「殿堂入り選手が激闘を繰り広げた」新旧スターが躍動したクリッパーズvsマブズ第4戦。「あれはショーだったな」とハーデンは回想<DUNKSHOOT>

NBAプレーオフはファーストラウンドの中盤に突入し、現地時間4月28日(日本時間29日、日付は以下同)を終えた時点で全8カードのうち4カードでどちらかのチームがシリーズ突破に王手。さらにウエスタン・カンファレンス第3シードのミネソタ・ティンバーウルブズは、同日に行なわれたゲームで第6シードのフェニックス・サンズを122-116で下し、無傷の4連勝で球団史上初のスウィープを達成した。

そしてこの日は、ウエスト第4シードのロサンゼルス・クリッパーズと第5シードのダラス・マーベリックスも激突。第2、3戦で連勝したマブズは、ホームのアメリカン・エアラインズ・センターで行なわれる第4戦にも勝利し、シリーズ突破に王手をかけるべく臨んだのだが、序盤は思わぬ展開が待っていた。

クリッパーズはカワイ・レナードが右ヒザ炎症のため欠場も、ポール・ジョージとジェームズ・ハーデンを中心に攻め立て、第2クォーター残り5分43秒でなんと31点差(55-24)の大量リードを手にする。

しかしマーベリックスもカイリー・アービングを軸に反撃。第4クォーター残り5分3秒にルカ・ドンチッチのステップバックスリーが決まり、98-98の同点に持ち込んだ。

そこから試合はスター選手たちの競演に。クリッパーズはジョージとハーデン、マーベリックスはアービングとドンチッチがショットを決めていき、最終スコア116-111でアウェーのクリッパーズが接戦を制してシリーズを2勝2敗のタイへ引き戻した。
「我々は相手がランを仕掛けてくると確信していた。だが同時に、この会場で自分たちが31点差もつけるとは思っていなかった。私はこのチームの選手たちへ伝えたんだ。とにかく勝利を掴むんだとね。プレーオフではどのようにして勝つかなど関係ないのだから」

タロン・ルーHC(ヘッドコーチ)が試合後に明かしたように、クリッパーズは試合時間残り2分15秒にアービングの5連続得点で一時は逆転され、31点もの大量リードを溶かす場面もあった。しかしタイムアウト明けのポゼッションでジョージが逆転へ持ち込む長距離砲をねじ込むと、ハーデンがフローターで3ポイントプレーを完遂し、見事勝ち切ってみせた。

「あれはショーだったな。エリートで、スキルが備わった、(将来の)殿堂入り選手たちが激しいバトルを繰り広げたのさ」とハーデンが話したとおり、新旧スーパースターたちが勝利を目指し、ひたむきにプレーを続けたことで見せ場を作ったと言えるだろう。

互いに一歩も譲らない大激戦となっているこのカード。4月30日に行なわれる第5戦を制し、先に王手をかけるのはいったいどちらのチームなのか。

文●秋山裕之(フリーライター)

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