【西武】悪夢サヨナラ3連敗 松井監督は前向きも…フロントはテコ入れ余儀なくされる可能性

まさか続きの結果に、ベンチで厳しい表情の西武・松井監督(右)

パ・リーグ最下位に沈む西武に連日、容赦ない悪夢が襲い掛かっている。29日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)は5―4で逆転サヨナラ負けを喫した。球団史上初となる同一カード3試合連続のサヨナラ負けで、今季のホークス戦は6戦全敗。借金も今季最大の「9」にまで膨らんだ。

信じられないようなラストが待っていた。中村、金子侑の効果的な2発で4―2のリードを保ったまま迎えた9回。新守護神・アブレイユが先頭の川瀬にストレートの四球を与えるなど二死一、二塁のピンチを背負い、柳田にまさかの2号逆転サヨナラ3ランを被弾した。

カード初戦(27日)は延長10回でサヨナラ負け。前日も延長12回に3年目捕手・古市のサヨナラ捕逸という悲劇を味わったばかり。それだけでは足りないというのか…。野球の神様はさらに非情なシナリオで、西武を深い谷底へ突き落とした。3試合連続のサヨナラ負けはプロ野球ワーストタイ記録の屈辱だ。

試合後の松井稼頭央監督(48)は「アブレイユでやられましたからね。中村にしても、金子にしても本当にいい攻撃でした。(高橋も)本当に粘り強く投げてくれました」と選手をたたえながら、落ち込んでいる暇もなくやってくる次の試合に言及した。そして「(ソフトバンク戦は)全部負けていますからね。帰ってからも、まだ対戦がありますしね。その前にまた明日から試合(日本ハム戦)もあるので、またしっかり戦っていきたいと思います」と努めて前向きに語った。

30日からは本拠地で好調の2位・日本ハムと2連戦。大型連休まっただ中の興行本番となる5月3日からは、わずか中3日で再び首位・ソフトバンクとの3連戦を迎える。

すでにその鷹には10ゲーム差をつけられ、両リーグ最速で借金10に王手を掛けている西武。今後の星取り次第では、フロントも早急に何らかのテコ入れ策を打たなくてはならなくなるだろう。

この日、7回123球2失点の粘投で試合をつくりながら今季初勝利を逃した高橋は「こういう投球をしていったら絶対にいい方向に行くので、粘り強くやるしかない。反省点としては(球数を)投げ過ぎ。切るところを切ってテンポを作って行きたい」。スタメンマスクをかぶった柘植も「1戦1戦勝つための準備を、変わらず続けていくしかない」とあえてポジティブな発言を口にした。

とはいえ、選手個々ができることは限定的だ。開幕25試合を終え、早くも西武が試練の時を迎えている。

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