死ぬほど長い?

 「いく、逃げる、去る」といえば年明けから年度末までの1月、2月、3月が慌ただしく過ぎてしまうことを言うおなじみのフレーズだが、4月は少しばかり様子が違っているのだろうか。ネットでひょっこり見つけたのは「4月・死ぬほど長い」▲進学や就職、転勤や転居、異動や配置換え…。4月はスタートの時期、変化の月だ。身の回りに新しい事柄や経験が多いと、進み方がゆっくり感じられることがある-は時間を巡る定説の一つ▲自身が変化の当事者ではなくても、周囲の変化に伴って、例えば打ち合わせや雑務が増えることも職場などでは頻繁に起きる。予定がぎっしりで一日がなかなか終わってくれない…誰にも覚えのある感覚だろう▲さすがにいささか大げさだと思える「死ぬほど-」の筆者も、そんな忙しい4月を過ごしているのかもしれない。ただし、そうした“すき間のない一日”は逆に「あっという間」と感じることも多いから、やっぱり時間は不思議▲人によっては、年度初め特有の緊張や高揚感も、時間の流れ方に影響を与えていそうだ。同じ話のようでも、試しに〈2024年の3分の1が終わった〉と表現してみると、いろんな心持ちが少し変わるのが面白い▲その4月もきょう限り。皆さんの今月はどんなふうに過ぎただろう。(智)

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