花酵母でカクテル、富岡のIchido開発 ツツジとサクラ使用

EnjuをPRする渡辺社長

 花から抽出した花酵母を使った酒の醸造に取り組んでいる福島県富岡町の「Ichido(いちど)」が30日、初めての商品となるカクテルの販売を開始する。渡辺優翔(ゆうと)社長(23)は「花酵母の良さを最大限引き出したお酒を開発できた。贈答時のファーストチョイスとなり、もらった方も大きな満足を得られるはず」と話した。

 渡辺社長の実家は須賀川市の観光庭園「大桑原つつじ園」。東京農大で造園技術を学ぶ中で新たな事業を模索してきた。さまざまな香味を醸し出す花酵母に着目して商品開発を進めた。家業の手伝いで富岡町のツツジの再生事業に関わった縁で2022年に同社を設立し、復興への貢献を目指している。

 商品はカクテルブランド「Enju(えんじゅ)」で、「槐(えんじゅ)」の木に由来している。実家のツツジと富岡町のサクラの名所夜の森のサクラの花酵母を使用し「ツツジ」「サクラ」の2種類を用意。醸造は米焼酎製造販売「ねっか」(只見町)に委託し、渡辺社長も仕込みを行った。

 香り高い米焼酎をベースに、果実やハーブをブレンドした自慢のリキュールに仕上がった。渡辺社長は「このEnjuで花業界を変える思いを持ち、今後も商品作りに向き合いたい」と力を込めた。

 希望小売価格3500円(500ミリリットル)。同社ECサイトのほか富岡町観光協会、浜通りアンテナショップRinka(いわき市)などで販売している。問い合わせは同社(電話0240.23.7970、ECサイトhttps://enju‐cocktail.com)へ。

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