チーフスとTEケルシーが2年約54億円の新契約に合意

カンザスシティ・チーフスのトラビス・ケルシー【AP Photo/Doug Benc】

近い将来、タイトエンド(TE)トラビス・ケルシーはゴールドのジャケットを受け取り、カントンで永遠不滅の存在になるだろう。

しかし、それはいつかの話だ。ケルシーにはまだまだ良いフットボールをプレーする力が残っており、カンザスシティ・チーフスもそれに見合った報酬を支払おうとしている。ケルシーがチーフスと2年3,425万ドル(約53億5,278万円)の契約に合意し、NFLで最高の年俸を得るタイトエンドになると、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが報道。その後、チームがこの契約について正式に発表している。

ペリセロによると、現行契約が2025年シーズン末まで残っているケルシーの2024年における報酬は事実上、400万ドル(約6億2,514万円)上がるという。ケルシーは現在、シーズン平均で1,712万5,000ドル(約26億7,755万円)を受け取っており、タイトエンドの中でトップにつけている。

ケルシーのキャリアは驚くほど安定していると言えよう。シンシナティ大学出身のケルシーは2016年から2022年にかけて7年連続で1,000レシーブヤードを突破。2023年は、最終的にスーパーボウル連覇を成し遂げるまで、レギュラーシーズンを通して足場を固める必要があったチーフス攻撃陣の中で、キャッチ93回、984ヤード、タッチダウン5回を記録し、8年連続の1,000ヤード超えまであと一歩だった。

NFLでの11シーズンを通して、ケルシーはキャッチ907回、1万1,328ヤード、タッチダウン74回を記録し、プロボウルに9回、オールプロのファーストチームに4回選出されている。プロフットボールの殿堂の2010年代オールディケイドチームにも選ばれた経歴を持つケルシーは、34歳になった今もNFLで最も危険なタイトエンドの1人だ。

ケルシーはクオーターバック(QB)パトリック・マホームズがいなくとも成功を収めていたが、テキサス工科大学出身の傑出した選手がスーパースターの座にのぼりつめてから、ケルシーは急激に恩恵を受けるようになった。マホームズが先発クオーターバックとなった2018年に、チーフスにとって相対的に優位な時代が幕を開けている。チーフスは2018年から2023年にかけて毎年、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームに出場し、3度のスーパーボウル制覇を成し遂げてきた。その間に、ケルシーはレギュラーシーズンでキャッチ600回、7,428ヤード、タッチダウン52回を記録し、ポストシーズンではキャッチ243回、1,609ヤード、タッチダウン18回をマークしている。

マホームズは『X』に「言っただろ、絶対に彼を離さないって!! おめでとう!@tkelce」と投稿した。

2023年のプレーオフにおいて、ケルシーは第1シードを保持していたボルティモア・レイブンズとの一戦でキャッチ11回、116ヤード、タッチダウン1回を記録し、マホームズにとって不可欠な存在として活躍。チーフスがレイブンズを下し、2年連続でスーパーボウルへの切符を手に入れるのに貢献した。第58回スーパーボウルでは得点こそ挙げなかったものの、その試合でも重要な役割を果たしたケルシーはキャッチ9回、93ヤードを記録。チーフスは延長戦の末に勝利をつかんでいる。

引退する頃には史上最高のタイトエンドの1人として名を残すと見られているケルシーは、いずれプロフットボールの殿堂入りを果たすだろう。新たな契約により、ケルシーはカントンで殿堂入りするまでに巨額の報酬を得ている。

【RA】

© NFLJapan.com