「ふたりの相性は抜群」柔の荒木遼太郎と剛の松木玖生。藤田譲瑠チマとともにイラク戦勝利の原動力に【U-23アジア杯/コラム】

2024年4月29日(現地時間)、カタールで開催されているU-23アジアカップ兼パリ五輪アジア最終予選の準決勝で大岩ジャパンがイラクに2-0と勝利。パリ五輪の出場権を獲得した。

FC東京を長年担当しているから、イラク戦ではどうしても荒木遼太郎、松木玖生、木村誠二(FC東京からサガン鳥栖に期限付き移籍)のプレーに目がいった。なかでも中盤で身体を張ってイラクの攻撃を食い止めた松木、抜群の展開力と柔らかいボールタッチで魅せた荒木のパフォーマンスが良かった。

剛の松木と柔の荒木と表現すべきだろうか。中盤に力強さをもたらした松木、創造性をもたらした荒木は、キャプテンの藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)とともに中盤を安定させてチームを勝利に導く原動力となった。

FC東京の前線でコンビを組む彼らがU-23日本代表でも躍動する姿を見ると、「ふたりの相性は抜群」と改めて思う。

鹿島アントラーズから期限付き移籍でFC東京に加入した今季、荒木にとって新天地での松木との出会いは非常に重要なファクターになっているのかもしれない。いずれにしても、松木の献身と荒木の技巧、どちらを欠いても日本のパリ五輪出場はなかったのではないか。

とりわけ戦力的価値を高めたのが荒木だろう。昨季は鹿島で燻っていたアタッカーがこうして復活を遂げるわけだから、新たなクラブとの出合い、選手との出会いはやはり大切である。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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