チーフスQBマホームズがスーパーボウルリングを携えてWWEの『マンデー・ナイト・ロウ』に登場

カンザスシティ・チーフスのパトリック・マホームズ【AP Photo/John Locher】

現地29日(月)、カンザスシティ・チーフスのメンバーはベビーフェイスにも、ヒールにもなった。

カンザスシティのTモバイル・センターで行われたWWE(ワールド・レスリング・エンターテイメント)の『Monday Night Raw(マンデー・ナイト・ロウ)』で最前列に座り、このイベントに参加したのは、他ならぬスーパーボウルMVPのクオーターバック(QB)パトリック・マホームズだ。

チーフスのセンター(C)クリード・ハンフリーとガード(G)トレイ・スミスに挟まれて観戦していたマホームズは、ソーシャルメディア界の大スターであり、WWEユナイテッドステイツ王座も獲得しているローガン・ポールに、ファンからの人気が高いジェイ・ウッソとの対戦で、非常に高価な真ちゅうのナックルダスターとして使用できるように3つのスーパーボウルリングすべてを授けたが、この計画はプロレスの典型的な形で失敗に終わった。

「#USChampionの@LoganPaulが#WWERawで@PatrickMahomesの助けを借りた!」

しかし、それは問題ではなかった。マホームズとオフェンシブラインマンたちは、WWEの熱闘を見にきたところ、スーパーボウルのチャンピオンが関わるところも見ることができた地元のファンたちから大きな歓声を浴びている。

「#WWERawの#WWEDraftでわれわれのリングアナウンサー@SamanthaTheBombが@PatrickMahomesを紹介!」

マホームズはポールの他に、世界ヘビー級王者ダミアン・プリーストやフィン・ベイラー、ドミニク・ミステリオ、JDマクドナら含む、WWEで最もホットな派閥の1つである“Judgement Day(ジャッジメント・デイ)”のメンバーとともに、Tモバイル・センターに入るところを目撃されている。

マホームズに感謝を伝えたポールはその直後、ジャッジメント・デイのメンバーではないものの、ベイラーやマクドナと組んでウッソを倒している。ポールはリングを去り、自分に3つのスーパーボウルリング(本物だとは想像できない)を渡した、新しい仲間であるマホームズを見つけた。

しかし、ポールがウッソに向かって放ったパンチがマクドナに当たったことを受けて、史上初めて、マホームズのリングが敗北に結びついている。

数分後、ウッソを助けに来たベビーフェイス(プロレス用語で善玉の意)のブラウン・ストローマンが最前列で見ていたマホームズを発見。立っていたマホームズにストローマンが対峙すると、スミスとハンフリーが立ち上がり、クオーターバックを守った。マホームズの身に何も起こらなかったことで、チーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リードやジェネラルマネジャー(GM)ブレット・ヴィーチ、ハント家の面々は安堵(あんど)したことだろう。

「ブラウン・ストローマンが戻ってきた!」

「怪物中の怪物が現在、#WWERawの#WWEDraftで#USChampionの@LoganPaulおよび@Chiefsの@PatrickMahomesとの対戦を望んでいる!」

マホームズとスーパーボウルリングが関与したことはソーシャルメディアで大きく騒がれ、WWEが毎週繰り広げている演出の中でも特に注目を集めたが、スミスとハンフリーを巻き込んだ、とてもリアルで高揚した瞬間もあった。

チーフスのスーパーボウルパレードで銃撃事件が発生したという悲劇的な出来事には、スミスをはじめとするチーフスの選手たちが、人々を落ち着かせ、避難を促したというエピソードがある。そうした英雄的な物語の1つとして、スミスが苦しい体験を乗り越えるのを手助けするためにWWEが作成したチーフスのチャンピオンベルトを少年に渡し、大丈夫だと語りかけたというものがある。

その少年はチーフスのアシスタントジェネラルマネジャーを務めるマイク・ボルゴンジの息子であるジョーイ・ボルゴンジ君だった。

「カンザスシティ、@Chiefs、そしてジョーイ・ボルゴンジにとって特別な瞬間が今夜の#WWERawで@tmobilecenterから生中継」

月曜日、チーフスのベルトを巻いてリングの中央に立ったジョーイ君は大歓声を浴びた。そして、スミスとハンフリーが彼を肩に担ぐと、それまで以上に大きな喝采が起こっている。

スーパーボウルリングは卑劣な方法で使われ、マホームズの計画は失敗に終わった。

しかし、ハンフリーとスミス、そしてジョーイ君はこの夜、最も祝福された“善玉”になったかもしれない。

【RA】

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