【NHKマイルC/危険な人気馬】トライアル好走馬を“消し” 経験値で劣る「1.0.2.27」該当馬が過剰人気か

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今週は、3歳のマイル王決定戦、第29回NHKマイルC(GI、芝1600m)が東京競馬場で行われる。

今年は、朝日杯FS覇者のジャンタルマンタルと、阪神JF覇者のアスコリピチェーノ、昨年の2歳チャンピオンが揃い踏み。加えて、前哨戦のニュージーランドTを制したエコロブルーム、アーリントンCを制したディスペランツァや、ノーブルロジャーゴンバデカーブースなど、9頭の重賞ウイナーが出走を予定しており、例年以上に豪華なメンバーが集まった。

そんな中、トライアルのニュージーランドTで2着に好走したボンドガールが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■あくまで1勝馬、キャリアの浅さもネック

一昨年のセレクトセール1歳部門で、2億3100万円(税込み)と高額で落札され、デビュー前から期待を集めていたボンドガール。新馬戦では、後にアルテミスSを制するチェルヴィニアや、京王杯2歳Sなど重賞で好走しているコラソンビートなどを押さえて勝利。サウジアラビアRC、前走のニュージーランドTと、重賞で連続2着に好走しており、NHKマイルCでも有力候補の1頭に数えられる。

しかし、現時点ではあくまで1勝馬の立場。過去10年のNHKマイルCで、1勝馬の成績は【1.0.2.27】勝率3.3%、複勝率10.0%と、勝ったのは2017年アエロリットのみ。同馬は前走で桜花賞に出走して5着に敗れていたが、差のない競馬をしており、GI経験を活かした上での結果だった。

また、キャリア3戦のボンドガールであるが、過去10年のNHKマイルCで、キャリア3戦以下の馬の成績は【1.2.1.10】と、7勝2着5回3着8回をマークするキャリア5~6戦馬に比べるとやや不利な材料。GI未経験に加え、キャリアの浅さと勝ち身に遅い点で信頼度は大きく落ちる。

加えて、人気面でも過剰に支持を集めやすい傾向にあるボンドガール。サウジアラビアRCでは、今回出走予定のゴンデバカーブースに切れ負けしており、前走のニュージーランドTでもエコロブルームを捉えきれなかった。デビュー戦で破ったチェルヴィニアも先の桜花賞では13着に大敗しており、他馬との比較という意味ではそこまで高い評価を与えるほどではない。

NHKマイルCでは相性のいいダイワメジャー産駒。加えてニュージーランドT組は、1着馬が【0.0.0.10】と全く結果を残せていないのに対し、2着馬は【1.2.0.4】と、勝ち馬よりも好成績を残しており、武豊鞍上も加味すればボンドガールもかなり支持を集めそうな雰囲気。しかし、その過剰な人気ほどの信頼感はないと考え、妙味を考慮すると、今回は思い切って「消し」でいきたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

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