ニックスの強さの秘訣はリバウンドにあり!シボドーHCは「我々はそれがどれほど重要なのかを理解している」<DUNKSHOOT>

4月28日(日本時間29日)、イースタン・カンファレンス第2シードのニューヨーク・ニックスと、第7シードのフィラデルフィア・セブンティシクサーズによるプレーオフのファーストラウンド第4戦が、シクサーズの本拠地ウェルズファーゴ・センターで開催された。

ニックスが勝てば3勝1敗で王手、シクサーズがモノにすれば2勝2敗のタイとなる重要な一戦は、同点10度、リードチェンジ11度の末、97-92でアウェーのニックスが制し、シリーズ突破まであと1勝とした。

この試合、ニックスはジェイレン・ブランソンがプレーオフの球団記録を更新する47得点に10アシストの大活躍。さらにOG・アヌノビーが16得点、14リバウンド、3ブロック、マイルズ・マクブライドが13得点、4リバウンド、ジョシュ・ハートが17リバウンド、5アシスト、3ブロック、プレシャス・アチウワが7リバウンド、4ブロックで勝利に貢献した。

ニックスはリバウンド数で52-42、オフェンシブ・リバウンドで15-9とシクサーズを上回ったことが勝因になった。試合後にトム・シボドーHC(ヘッドコーチ)も「我々はそれ(オフェンシブ・リバウンド)がどれほど重要なのかを理解している。今日も何人かが素晴らしい仕事をしていた。彼らはしぶといんだ」とリバウンドの重要性を語っていた。
今年のポストシーズンにおけるニックスの平均リバウンド(46.3)はミネソタ・ティンバーウルブズと並んで16チーム中1位タイ。さらに15.3本のオフェンシブ・リバウンドは1位を誇り、38.8本(14位)、オフェンシブ・リバウンド9.3本(10位)のシクサーズを圧倒している。

個人で平均2桁をマークしているのはハート(12.8)だけだが、ミッチェル・ロビンソン(7.7)、アヌノビー(6.5)、アイザイア・ハーテンスタイン(5.8)、ブランソン(5.3)と実に5人が5本以上を記録。

また、『StatMuse』によると、このシリーズでニックスは61本のオフェンシブ・リバウンドから79得点を記録。対するシクサーズが36本で40得点という数値からも、ニックスが球際の争いを制し、そこから着実に得点を重ねていることが分かるだろう。

今季、平均24.0点、9.2リバウンド、5.0アシストをあげていたオールスターのジュリアス・ランドルを右肩の脱臼で欠きながら、粘り強いバスケットでシリーズの主導権を握っているニックス。1973年を最後に50年以上も優勝から遠ざかっている古豪は、カンファレンス準決勝で涙を飲んだ昨季以上の結果を残せるか注目だ。

文●秋山裕之

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