シール交換、プロフ帳、たまごっち…平成の小学女子がドハマリした「思い出のキッズカルチャー」

Z世代に再び人気を集めている平成8年うまれの「たまごっち」(C)BANDAI

2024年4月30日で平成が終わってから5年が経つ。30年続いた、目まぐるしい時代を中心世代として体感したのが、現在の30代だろう。

最近では2023年1月クールに放送された、安藤サクラさん主演のドラマ『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)がこの世代の間で大きな話題を集めた。同作は、1989年生まれで市役所勤めの主人公・近藤麻美が33歳のある日交通事故で他界。来世が「オオアリクイ」だと告げられたことで、再び人間に生まれ変わるために必要な徳を積もうと、記憶をそのままに人生を赤ん坊からやり直すというストーリー。

何度も人生をやり直す展開が描かれる中、舞台となった平成初期を描くために登場したのが、当時子どもたちの間で流行していたアイテムの数々。放送中にはど真ん中の世代である30代の間で「懐かしい」と大きな話題を集めた。

今回は、平成が終わり5年たった今、ドラマ『ブラッシュアップライフ』でも描かれ話題となった、平成女児たちが大好きだった、当時流行したものを振り返りたい。

■「マーキュリーごっこ」だった「セーラームーンごっこ」に「シール交換」

まず、小学生のときの麻美が遊んでいたのが「セーラームーンごっこ」。平成4年3月から放送開始したアニメ『美少女戦士セーラームーン』はどのシリーズも大人気で、ムーンスティックや星空のオルゴールなどのおもちゃは誰でもひとつは持っていた。

ドラマ1話では、セーラームーンごっこをするときは子どもはみんなセーラーマーキュリーになりたがり、「ほぼマーキュリーごっこ」だったと揶揄されているが、これが本当にこの通り。なぜかやりたいキャラの人気が偏っており、筆者の周りでもマーキュリーやヴィーナスが人気だった。

また「ごっこ」の内容も、はじめこそ敵と戦うようなお芝居チックなものや主題歌の『ムーンライト伝説』を歌っていたりしたが、最後は『ブラッシュアップライフ』で言われていたように、結局ただの鬼ごっこになることは多かったように思う。

また、ドラマでも小学生低学年の麻美たちがハマっていた「シール交換」も平成世代には大ブームだった。ツヤツヤの、シールを貼って剥がせるシール台紙をファイリングしたシール帳をそれぞれが持ち、雑貨屋で買ったシールを交換していた。

ドラマでもあったように、人気なのはタイルシールやフェルト素材でふわふわのシール。このほかにも、中にスポンジのような素材が入っていて、触るとぷにぷにするぷっくりシール、ホログラムでキラキラ光るシール、キャラクターだとウサギやハムスターのものが人気だった。小学生の女子は、とにかくキラキラしたものや手触りが変わったものが好きというのは、きっと現在の子どもでも変わらないだろう。

これらのシールをお互いが納得するように「交渉」して交換するのだが、誕生日のときなどは特別な大きいシールを交換してもらえて嬉しい気持ちになったものだ。なお、分厚いシールでシール帳がパンパンになってバインダーがなかなか閉まらなくなるのも誇らしかった。

ドラマでは紹介されていなかったが、この時期はほかにも、小さな瓶に入った匂い付きの「香り玉」の交換や、指先ほどのサイズの金太郎飴のような「ミニ消しゴム」の交換も大流行していた。家の学習机の中にたくさん集めていたという経験を持つ平成世代の人は多いのではないだろうか。

■「プロフィール帳」に大流行した「たまごっち」

高学年の女子の間で流行っていたのは「プロフィール帳」だろうか。クラス替えや卒業前のタイミングで、名前や趣味、なんでもランキングなどのプロフィールを穴埋め式で書いてもらう紙を配っていた。好きな男子に書いてもらうためのカモフラージュとしてその友人にも紙を配ったりと、この時期の女子の涙ぐましい努力がそこかしこで行われていた。

返ってきたプロフィールに空欄が多いとちょっとへこんだり、ギャル字のうまい女子を尊敬してマネしてみたりと、大人へと背伸びする時期だったように思う。恋愛系の質問も中にはあったが、「初恋はいつ?」「好きなタイプは?」など、質問内容も今見返すとほほ笑ましい。

なお、文字でのやりとりが少なくなった現在でもプロフィール帳の文化は残っているようだ。今ではSNSのアカウントや気に入っているアプリを書く欄などもあり、時代の流れを感じざるをえない。

デジタルのおもちゃで流行っていたのは、平成8年発売で社会現象にもなった『たまごっち』。初代のものはなかなか手に入らず、筆者は翌年発売された『新種発見!!たまごっち』を初めて買ってもらった。ちゃんとお世話していたら進化する「まめっち」や「みみっち」は見た目もかわいくとにかくみんなから人気で、反対に「くちぱっち」などは、どことなく体が弱くてすぐに死んでしまうイメージだった。たまごっちが死んだときの「ピーーーー」という音は、今でも少しトラウマだ。

『たまごっち』は今でも人気で、続々と新シリーズが発売されている。子どものときに好きだったものが今の子どもたちにも人気だと思うとどことなく嬉しい。

このほかにも彗星の如く現れた『ポケットモンスター』の大流行や、「ポケビ(ポケットビスケッツ)とブラビ(ブラックビスケッツ)どっち派?」という話題で盛り上がるなど、この当時のことを思い出していると、次から次へと楽しかった日々が蘇る。

今日はたくさんの思い出の詰まった平成に想いを馳せてみては?

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