『絶対BL2024』犬飼貴丈のモブは最高のハマり役 最強フラグ=世古口凌との“接近”に注目

累計発行部数45万部突破の人気コミックを映像化した犬飼貴丈主演のドラマ『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男』。その最新作となる『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男 2024』がLeminoにて4月23日より独占配信となった。犬飼演じる主人公のモブが、総勢30名の超絶イケメンたちと繰り広げるBLワールドに早くも視線が集まっている。

今や漫画界において一大ジャンルとなったBL(ボーイズラブ)。ある程度読み込んでいると、恋が始まるシチュエーションにはいくつか王道のパターンがあることに気づくだろう。例えば、「なぜか道端に落ちていたイケメンを無用心にも家に連れ帰る」「唐突にくすぐりタイムが始まり、相手の可愛い反応にドキッとする」「やたら薄着で寒そうな相手に上着を貸してあげる」など。こうしたシチュエーションはBLや少女漫画でよく見られ、少々ツッコミどころはあってもスルーしていることが多い。

だが、それを見逃さないのが本作の主人公であるモブだ。物語はイケメン率の高い大学に通うモブが、突如として自分が「BL漫画」の世界の住人であることに気づくところから始まる。地味で平凡なモブは当初、自分に焦点が当たることはないと高を括っていたが、弟の綾人(ゆうたろう)が学校一のイケメンに告白されたことで、BL漫画には平凡受けというジャンルがあると知り戦慄。そんなモブが自分の貞操を守るために、次々と乱立しまくる恋愛フラグを回避していくメタ的ストーリーである。

特筆すべきは、主役でありモブである犬飼のコメディ演技だろう。犬飼といえば、国民的ボーイズコンテスト「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞し、芸能界入り。『仮面ライダービルド』(テレビ朝日系)で主演に抜擢されたことで人気に火がつき、NHK連続テレビ小説『なつぞら』やNHK大河ドラマ『青天を衝け』にも出演者の一人として名を連ねてきた。

いわば若手俳優の“王道出世コース”を歩んできた犬飼だが、その流れに逆らうかのように、『獣になれない私たち』(日本テレビ系)では新垣結衣演じるヒロインの頭を悩ませるポンコツ社員役で情けない姿を躊躇なく披露。大学のダイビングサークルを舞台にした映画『ぐらんぶる』では竜星涼とほぼ全裸になり、ドタバタを繰り広げるなど、コメディ俳優としての才能を開花させてきた。

そんな犬飼にとって、モブはまさにハマり役。モブ顔という設定には似つかわしくないほど端正な顔立ちの犬飼が必死でモブムーブをかます姿はそれだけでギャップがあり、笑いがこみ上げてくる。表情や台詞回しのバリエーションも豊かで、恋愛フラグが自分の身に降りかかった時のリアクションを見ているだけでも楽しい。

モブを取り巻く登場人物たちも個性豊かでバラエティに富んでいる。中でも注目は、モブの弟・綾人に告白した親友の東條(塩野瑛久)だ。本作において、BL漫画でメインを張るようなイケメンたちは花を背負っており、東條の場合はバラである。そんな“バラの君”こと、東條は見た目の華やかさもさることながら、その優雅な振る舞いとスマートさが魅力。現在放送中のNHK大河ドラマ『光る君へ』で一条天皇を演じ、その見目麗しさに注目が集まっている塩野瑛久が体現する理想の王子様像に魅了されっぱなしだ。相手役であるゆうたろうの愛らしさも極まっており、モブの心配をよそに展開していく二人の恋愛模様からも目が離せない。

このようにブレイク必至の若手俳優が数多く出演しており、青田買い的な側面を持つ本作。今回の最新作では原作漫画第4巻の内容が映像化され、世古口凌扮する綾人の友人・旗野が初登場となる。世古口は「『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage」の飴村乱数役をはじめとし、舞台で活躍したのちに活動の主軸を映像作品に移行。スーパー戦隊シリーズ『機界戦隊ゼンカイジャー』(テレビ朝日系)では敵役ながら人気を集め、スペシャルドラマ『探偵ロマンス』(NHK総合)では踊り子・お百に扮した姿が美しすぎると話題になった。そんなネクストブレイク筆頭株の世古口が演じる旗野はモブを惑わす“最強のフラグ”。彼が全身に纏う、どこか儚げで守ってあげたくなるような雰囲気にモブは抗うことができるのだろうか。

一方で、モブには忘れられない人がいる。モブに唯一、「こいつとならBLしてもいいかも」と思わせたクラスメイトの菊池(伊藤あさひ)だ。シーズン1のラストで菊池が自分に寄せる恋心に気づいたモブは、葛藤の末に告白する。ついにモブ卒業かと思いきや、菊池の元カレが現れ、目の前でキス。シーズン2ではそれが誤解だったと分かるも、菊池はアメリカ留学を決めてしまう。モブは空港まで追いかけるも、最新作ではBL漫画家の真山(和田颯)によって再びBがLすることを回避。そんな菊池が留学から一時帰国する。菊池と旗野、2人の強力なフラグに挟まれたモブの選択が気になるところだ。

『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男 2024』は全6話。最大10連休となる今年のGWにイッキ見してはいかがだろうか。
(文=苫とり子)

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