【阪神】村上頌樹「もっと曲げてもらえるように」 プロスピの評価に納得せず〝直訴〟してた

変化球の評価をあげたい村上頌樹

阪神・村上頌樹投手(25)が30日の広島戦(マツダ)に先発し、9回112球を投げて7安打1失点の今季初完投で2勝目を挙げた。ここまで2戦連続で打線の援護に恵まれず白星を逃していたが、この日は打線が奮起。チームは7―1で圧勝し、今季最多の貯金「6」で首位を堅守した。昨季に続いて勝利に貢献し、今季もフル回転の活躍が期待される右腕だが、某大手企業にあることを〝直訴〟して失敗していたようで…。

誤算は初回に投じた初球だけだった。村上は相手の先頭打者・秋山に1球目の144キロ直球を右翼席へ運ばれて先制を許した。それでも「1点は取られましたが、また振り出しと思っていたので。あまり影響はなかったし、テンポをよくすることを意識して投げました」と2回以降は緩急をつけた投球で鯉打線を翻弄。中でも3回二死で迎えた坂倉に対しては、初球に80キロのスローカーブ、2球目には146キロの直球を投じて66キロもの球速差を生み出し、スタンドからはどよめきが起こった。さらに6点リードとなった9回は球数100球を超えながらも球威は衰えず、わずか10球で三者凡退に抑えて試合を終わらせた。

試合後は「長いイニングを投げたいと思っていたので、9回投げきれて良かったです。変化球もうまく使えていたと思いますし、去年は勝てなかったマツダで勝てたのは大きいです」と笑顔で汗を拭った。

そんな右腕が本気でプレーしているのが、本格的野球ゲーム「プロ野球スピリッツ(プロスピ)」だ。昨季は10勝(6敗)、防御率1・75でMVP&新人王をW受賞したことから、昨オフには同ゲームを手掛けるKONAMIの早川社長に「(ゲーム内で)変化球の曲がりをもっと良くしてほしいです!」と衝撃の〝直談判〟。さらに、今季は直球に加え、カットボールや80~100キロ台のスローカーブを効果的に使い、打者をバシバシ抑えているだけに、ゲーム内評価もさぞ〝爆上がり〟かと思いきや…。

新シーズンのステータスは、打者の手元で鋭く曲がる「真っスラ」はB評価(最高S~最低F)となっているものの、フォークはC評価。スローカーブはまさかのE評価だ。これに村上は「思ったより変化球の曲がりが上がってなかったんですよね…」と首をかしげながら苦笑い。それでも、ここで諦めないのが〝虎の村神様〟だ。今回は思惑通りとはならなかったが「去年より今年はもっといい成績を残して、もっと曲げてもらえるようにしたいですね」と力強く宣言した。

球団初の連覇を目指すチーム、そしてプロスピのために今季も無双投球を見せてくれそうだ。

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