全国高校選抜大会 剣道女子 明豊 日本一になり勝利への渇望は増すばかり 【大分県】

悲願の日本一を成し遂げたが、戦いは続く。全国高校選抜大会の団体女子で優勝した明豊は、地元で開催される全国高校総体に向けて動き出した。岩本貴光監督は「これまでの全国大会では技量不足で、会場の雰囲気に飲まれることもあったが、7度目の挑戦でようやく日本一にたどり着いた」と積年の夢を果たした思いをかみしめた。だが、「過去の卒業生たちに比べて力はない。日本一への道は簡単ではない」と手綱を緩めることはない。

今年4月で総部6年目を迎えた。高校剣道四大大会(全国選抜、魁星旗、玉竜旗、全国総体)で6度の準優勝に輝いた新興勢力は、3月の全国選抜で日本一になった余韻に浸ることなく、直後に行われた魁星旗争奪全国高校剣道大会に出場。惜しくも準優勝に終わった。連戦の疲労があったことは否めないが、キャプテンの東瑚子(3年)は「もう一度、挑戦者として戦う気持ちが強くなった。今より2、3段レベルを上げなければいけない」と湧き上がる頂点への渇望を口にした。これまで、先輩たちがあと一歩で日本一を逃した姿を目の当たりにしてきたからこそ、勝利への思いは強い。

挑戦者として日本一を目指す

絶対的なエースの東は、団体戦では大将を務め、代表戦となれば岩本監督が迷うことなく指名する選手だ。その下に日本一を経験した中元緑映、大前瑶華、山本ひより、矢野望佳ら2年生が続く序列となるが、新1年生に実力のある選手が加わったことで部内選考は激しさを増した。岩本監督は「強い選手を5人並べても勝てないのが団体戦の難しさであり、面白いところ。東が頭一つ抜けた存在なのは確か。1年生を含めてもう一度、勝てるチームをつくりたい」と団体戦のメンバーは白紙の状態から選ぶ。

全国高校総体の県予選となる県高校総体では大本命であるが故に、他校からのマークは一層厳しくなる。大将の東に頼ることなく、先鋒から副将までの4人でポイントを重ねたい。試合巧者の大前は「相手に研究されるので厳しい試合になるとは思うが、一本を取る」と強い思いを口にした。2度目の日本一に向けて、チーム内の雰囲気は良好だ。

全国高校選抜大会の団体女子で優勝した明豊

(柚野真也)

© オー!エス! OITA SPORTS