妊娠相談、熊本市の23年度は2585件 22年度の2・5倍 妊娠内密相談センターの設置が要因か

「こうのとりのゆりかご」の運用状況を検証した熊本市の専門部会=26日、熊本市中央区

 熊本市は26日、2023年度に市の相談窓口に寄せられた妊娠・出産の悩み相談が、前年度の約2・5倍に当たる2585件に上ったと公表した。市は「匿名で相談できる妊娠内密相談センターの設置が件数を押し上げた」としている。

 センターは昨年4月に開設。666件の相談があり市全体の約25%に上った。市への相談内容は、望まない妊娠や未婚など「思いがけない妊娠」が833件で最多。次いで「出産・養育」が720件だった。

 こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)を運営する慈恵病院(熊本市西区)への相談件数は前年度から約4割減の1643件。集計方法は市と異なる。

 相談件数は市議会棟であったゆりかごの運用状況を検証する市の専門部会(部会長・安部計彦元西南学院大教授)で報告。23年度下半期の運用について「明らかな問題は認められない」とした。(横川千夏)

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