給食用の波佐見焼を配布 波佐見中の生徒が陶器まつりで 能登半島地震の募金呼びかけ 長崎

波佐見陶器まつりで生徒が配布している給食用の食器=波佐見町、やきもの公園

 能登半島地震の被災地支援に役立てようと、長崎県の東彼波佐見町立波佐見中(池本敦司校長、392人)の生徒が、使用しなくなった学校給食用の波佐見焼の器を開催中の波佐見陶器まつりのメイン会場、やきもの公園(同町井石郷)で来場者に配布している。会場に募金箱を置いて協力を呼びかけている。5月2日まで。
 同町教委は1988年、県窯業試験場(現・窯業技術センター)などが開発した強化磁器を学校給食に導入。町内の中学校1校と小学校3校で使用している。数年おきに更新しているが古い器も使用には問題がなく、町教委が保管。余った分について昨年末、波佐見中に活用を打診し、生徒会が配布して義援金を集めることを計画した。
 同町内の小中学校は陶器まつり開催期間中(4月29日~5日)の平日、家族や地域との「絆の日」として休みになる。配布するのは約5千個で、生徒会が有志を募り、生徒約110人が配布に参加する予定。
 30日は「波佐見中の『SDGs』です」と生徒が声を張り上げ、ボウルや皿を希望者に手渡した。星が描かれた皿を受け取った福岡市の主婦(60)は「給食まで波佐見焼とは」と驚きながら、「軽いので孫にプレゼントしたい」と笑顔。同中2年の岩永蒼真さん(14)は「もらう人も配る方も笑顔になれた。少しでも被災地のためになれば」と話した。

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