若者に広がる「昭和レトロ」 懐かしさもZ世代には新鮮?

4月29日は「昭和の日」です。ブームとなっている「昭和レトロ」の品々を販売する群馬県前橋市内の店舗を取材しました。

かつて昭和の時代、多くの家庭にはガラスのコップや炊飯器などの家電に「花柄」のデザインがあしらわれ食卓を彩っていました。平成に入りシンプルなデザインが好まれるようになると下火になりますが、去年創業100周年を迎えた魔法瓶メーカーでは、花柄を復活させた電気ケトルやマグボトルを販売しています。

若者にとってはどこか新鮮なそのデザイン。「昭和レトロ」が人気を集めています。

そんな昭和レトロブームの中、前橋市内で改めて注目されているのが、古書店などを展開するブックオフコーポレーションが前橋市のリサイクル業・モノファクトリーと連携して2021年にオープンさせた店舗です。

「棚の前では懐かしいという会話になったり、若い方がデザインをかわいいと言ってくれたり、老若男女様々な方が反応してくれています。」(ブックオフコーポレーション・石川さん)

店内には、主に1970年代から80年代に使われた時計や電話機などが並び、ノスタルジックな雰囲気を感じることが出来ます。

中でもレコードは、全国的に人気が再燃していて、業界団体のまとめによると、生産額は、最も市場が縮小した2010年のおよそ25倍にまで拡大しています。

こちらの店舗でも中古のレコードを邦楽と洋楽をあわせて数百枚単位で取り揃えています。近年では若者に人気の音楽ユニット「YOASOBI」がアナログ盤で新曲をリリースするなどレコードは音楽表現の手段として再び広がりを見せています。

一方、近年の昭和レトロブームで特徴的なのは、単純に昭和家電を部屋中に取りそろえるのではなく、部分・部分にアクセントとして取り入れているという点にあります。

「捨てられているもの・まだまだ使えるものが他の人に受け渡しができる場として、もっと認知を広げて、少しでも環境ということも含めて企業として地域の方に恩返しできるようにしたい。」(ブックオフコーポレーション・石川さん)

単なる懐古主義に傾倒するのではなく昭和の文化やファッションを現代風に解釈し直したこの考え方は「ネオ昭和」とも表現されます。令和の若者・Z世代の中にもかつての古き良き昭和が「ネオ昭和」となって生き続けています

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