邪気払う葉ショウブ 収穫最終盤 茨城・行方

葉ショウブを収穫する作業員=行方市山田

5日の「端午の節句」を前に、全国有数の葉ショウブ産地の茨城県行方市北浦地区で収穫が最終盤を迎え、生産者が出荷作業に追われている。

北浦近くにある、JAなめがたショウブ部会の横瀬健部会長(57)の水田では、約1メートルに伸びた葉ショウブの刈り取りが急ピッチで進む。収穫後は自宅作業場で土などを洗い流し、選別して約100グラムごとに袋詰めする。慌ただしい作業は4月下旬の約1週間に集中する。

ショウブには邪気を払う効能があるとされ、名前が「尚武」「勝負」に通じることから、端午の節句にはショウブ湯に漬かる伝統がある。

横瀬部会長によると、4月上旬までは寒い日もあり成長が遅かったが、「例年通りにいいものができた。子どもたちに伝統のショウブ湯を楽しんでもらいたい」と話す。

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