史上最多、グランドスラム68大会連続出場のコルネが引退を表明!「ローランギャロスのラストダンスで会いましょう」<SMASH>

女子テニス元世界ランク11位のアリゼ・コルネ(フランス/現107位)が、今年5月の四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ/クレー)を最後に現役生活から引退することを発表した。4月29日に自身のSNSへ動画を投稿し、次のようなメッセージを伝えている。

「皆さん、こんにちは。私がこれからお話しすることはすでご存知かもしれませんが、1カ月後に全仏オープンで最後の試合に出場し、テニス界から引退します。この数カ月間、このことを頭の片隅に置きながらプレーするのはとても複雑な気分でした。今がその時であり、さよならを言うのにこれ以上良い方法は考えられないと感じていても、19年間の人生を後にするのは心が重く感じるからです。

しかし、これから先には多くのエキサイティングなことが待ち受けていることもわかっていますし、最初から最後までスポーツに全てを捧げてきたという思いで、ページをめくることができるでしょう。私はこれを誇りにしていますし、皆さんが少し寂しく感じてくれればと思っています。私は間違いなく寂しくなりますから。本当にありがとう、ローランギャロスのラストダンスで会いましょう」
34歳のコルネが最後の舞台に選んだ全仏オープンは、彼女にとってツアーデビュー戦でもあった。2005年、15歳にして主催者推薦を得て本戦に出場した天才少女は、1回戦でアリナ・ジドコワ(ロシア)を下し、2回戦で当時世界3位のアメリー・モーレスモ(フランス/最高位1位)に挑戦、0-6、2-6で敗退している。

その3年後には早くも初タイトル(08年のブダペスト大会)を獲得し、18年のグシュタード大会まで合計6勝を挙げた。また、大会中に32歳の誕生日を迎えた22年全豪オープンでは、グランドスラムで自身初となる準々決勝に進出し、同年のウインブルドン3回戦では、37連勝中だった世界1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)を撃破するなど、30歳を超えて最高のパフォーマンスを発揮したことも記憶に新しい。「いいワインは熟成していくもの」と自身をワインに例えるほどの素晴らしいシーズンだった。

19年のキャリアで残した功績の中でも、特筆すべきはグランドスラム本戦連続出場記録だろう。07年の全豪オープンから連続出場を続け、杉山愛が持っていた「62大会連続」を22年の全米オープンで更新、さらに伸ばして今年の全豪オープンで「68大会連続」としている。大きなケガなく、高いレベルを維持し続けたからこその記録だ。5月26日開幕の全仏オープンでは、コルネのラストダンスから目が離せない。

構成●スマッシュ編集部

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