【F1】解雇危機リカルドは簡単にクビにできない? ネトフリで絶大人気「大勢のファン引き寄せた」

ダニエル・リカルド(ロイター)

F1のRBで解雇危機に瀕しているダニエル・リカルド(34)は、簡単にはクビを切られることはないようだ。

今季は開幕から不振続きで解雇危機に瀕しており、一部の海外メディアからは日本、中国の両GPが〝最終テスト〟になるとの観測も出ていた。その結果、両レースでいずれもリタイアという最悪の結果に。中国GPに関してはリカルドに非はないため情状酌量の余地もあるが、一方で反則裁定を受けてマイアミGP(5月5日=日本時間同6日、決勝)で3グリッド(スタート位置)降格の処分が決定。いよいよ窮地に追い込まれている。

しかし、リカルドを簡単に更迭できない事情がある。商業面での貢献があるからだ。

米スポーツ専門放送局「ESPN」はF1の人気面を特集する中で、動画配信大手「ネットフリックス」で配信されているF1ドキュメンタリー「Drive to Survive」がファン層拡大に寄与しているとしたうえで、「大勢の新規の若いファンをF1に引き寄せたのは、『Drive to Survive』でのリカルドのキャラクターだ。リカルドは複数回の世界チャンピオンに期待されるのと同じくらい、献身的なファンを持っている。それはほぼ完全に彼のキャラクターによるもので、多彩なオーストラリア人選手は事実上、ドラマの代名詞となっている」と指摘。新規のファン層で絶大な支持を誇っており、もし解雇となればRBはもちろん、F1界にとっても損失が大きすぎるのだ。

F1では実力が第一なのはもちろんだが、同時にマーケティング面の評価も重要視されるのが実情。人気者のリカルドは、サーキット上でも結果を出して解雇危機を回避できるのか。

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