【解説】なぜ投票率低下?無効票増加?「立憲候補勝利」衆院長崎3区補選 次期衆院選へ影響は《長崎》

28日に投開票が行われた衆議院長崎3区補欠選挙。取材を担当したNIB 近藤燦太記者が解説します。

山田さんが5万3381票、井上さんは2万4709票を獲得しました。

◆山田氏が全市町で勝利 井上氏も手ごたえ

山田さんは、前回の衆院選を含めると約6年間、地域で地道に活動を続けてきたことと、

そして組織の強さがありました。

対する井上さんは、維新の実行力をアピールし浸透を図りましたが、出馬表明から2か月と期間も短く、差を埋めきれませんでした。

市と町ごとの得票数を見ても、すべて山田さんが上回っていますね。

大票田の大村市で倍近くの差をつけたほか、離島ではすべて山田さんが7割以上の得票率で、井上さんを圧倒しました。

一方で、佐世保市では691票差と井上さんも「健闘」しました。

今回、事務所を佐世保市に置き、活動も重点的に行いましたが「佐世保」は、次の衆院選で井上さんが出馬を予定する新3区ですので、次につながる結果と言えそうです。

◆"白票"増加 自民支持層はどう動いた?

今回は自民党の支持層がどのような対応をとるか注目されました。投票に行かない、あるいは白票を投じる人が増えるのではと予想されていたのですが、実際、無効票は4062 票でした。

今回、投票率が大きく下がった中で、無効票は前回の約3300票より増えていて、投票には行ったけれどどちらの候補者の名前も書かなかったという人が多かったとも考えられます。

そして、今回はやはり投票率の低さが目立ちました。投票率35.45%は前回より25ポイントあまり低く、県内の国政選挙の中でも過去最低でした。補欠選挙は一般的に関心が高まりにくいと言われそれに加えて“自民”という選択肢がなかったことも大きな要因だと思います。

低い投票率となったことについて山田さんは、自民党支持層の受け皿になりきれなかった部分もあると話していました。

(山田勝彦氏)

「自民党の今の金権政治に不満、不信は強い一方で、まだまだ立憲民主党に、山田勝彦にというところの期待値が大きなところまで上げきれなかった。この結果は真摯に受け止めないといけない」

◆区割り変更の次期衆院選に影響は

次の衆院選からは県内の選挙区が3つになります。今区割りが変わって山田さんは新2区、井上さんは新3区と別の選挙区から出馬を予定していて、いずれも自民の現職と戦うことが予想されています。

今回の選挙戦ではそれぞれが一定程度政策などを広めることができたわけですが、一方の自民党としては、今回不戦敗としたことで支持者が離れる懸念を持つ人たちもいて、次期衆院選に何らかの影響が出るのではとの声も聞かれます。

いずれにせよ、次の衆院選は新しい選挙区での戦いになるため注目されます。

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