【苦肉の策】富士山・外国人観光客の迷惑行為相次ぐ… “映えスポット”に黒い幕の目隠し設置へ「やむを得ない対策」

「映える富士山」が撮影できるスポットとして、連日、外国人観光客などが押し寄せている山梨県・富士河口湖町の歩道。

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しかし、今、観光客による迷惑行為が横行。

苦肉の策として、富士山を隠すために“巨大な黒い幕”を設置する工事が開始されました。

道路横断・無断侵入など迷惑行為相次ぐ

ゴールデンウィーク中の4月30日、富士山をひと目見ようと、山梨県には多くの観光客が訪れていました。

外国人観光客にも人気の富士山。最近、日本らしさを感じる写真が撮れるとして人気のスポットが、富士河口湖町にあるコンビニです。

取材スタッフ:
非常に多くの人がカメラを向けて撮影をしています。大きなキャリーケースがあり観光客ですかね、コンビニの敷地内でも写真を撮っています。

「コンビニ」越しに、美しい富士山を撮れることから、連日、多くの外国人観光客が押し寄せているのです。

多くの人でにぎわう一方で、近隣住民を悩ませる問題も。
歩道いっぱいに観光客が連なり、車道にはみ出た歩行者にぶつからないよう大型車はゆっくりと走行します。

さらに、車が来ても車道の真ん中で撮影を続ける人も…。

めざまし8が取材した約1時間半の間に、車の前を横切る危険な横断は40回以上ありました。

横断歩道がない場所で、大胆に道路を横切る人は後を絶ちません。

近隣住民:
外国の方が、車がいても何してもすぐ渡っちゃうので、なんか事故とかにね。巻き込まれるのも嫌だし。

さらに被害を訴えるのは、道路を挟んでコンビニの向かい側にある井ビシ歯科医院です。

医院前の歩道は人でいっぱい、敷地内への無断侵入やごみのポイ捨ても後を絶たないといいます。

井ビシ歯科医院 井出公一院長:
(医院の)屋上に上って写真を撮るとか、そういう迷惑行為がやっぱり目立つようになりました。業者が貸している自転車が(敷地内に)駐輪していまして、患者さんの駐車できるスペースがほとんどなくなってしまっている状態です。

これらの迷惑行為は、2023年1月頃から激化しており、富士河口湖町は2023年6月に約700万円の予算をあてて周辺に警備員を配置。

しかし、警備員が注意喚起を行っても、私有地への立入や車の乗り入れなどの迷惑行為は途絶えることはありませんでした。

苦肉の策として、コンビニの向かい側の歩道から富士山を撮影できないように、高さ2.5m、幅20mの巨大な黒い幕を設置することを決定、4月30日から設置作業が開始されました。

「富士山隠し」とも言える対策に、外国人観光客らは…。

インドからの観光客:
景観をブロックすることに賛成です。地元の人たちが安心して暮らせることが大事だと思います。

タイからの観光客:
とても残念。でも観光客の安全のためには良いこと。近隣住民や日本人を尊重したい。

無断侵入に悩まされていた歯科医院の院長も、この対策には理解を示します。

井ビシ歯科医院 井出公一院長:
これ以上放置すると事故になりかねないという状態ですので、これはやむを得ない対策だというふうに思っています。

(『めざまし8』 2024年5月2日放送より)

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