焼戻と名工品により様変わりするサンクチュアリの冒険『ディアブロⅣ』開発者インタビュー

焼戻と名工品により様変わりするサンクチュアリの冒険『ディアブロⅣ』開発者インタビュー

大人気のハック&スラッシュRPG『ディアブロⅣ』……今回、同作の新シーズンに当たるシーズン4について、開発者にインタビューさせていただく機会を得ました。

「じゃんげま ALTFIRE」第21回、4月30日発売「メガミマガジン 6月号」に掲載中!

インタビューに答えてくださったのは、アソシエイト・ゲームデザイナーのJoseph Piepiora氏と、リード・シーズンデザイナーのDeric Numezです。

左:Joseph Piepiora氏 右:Deric Numez氏

『ディアブロⅣ』開発者インタビュー

Q.四月頭に行われたPTR(パブリック・テスト・レルム)から反映されたものは何でしょうか? また、特に人気のあったコンテンツは何でしょうか?

Joseph:『ディアブロⅣ』では初のPTRだったこともあり、多くのフィードバックをいただきました。ドロップやアイテムをリワークしたのですが、それらに関してのFBが特に多かったです。こちらが考えている修正は2つで、まず名工品のアップグレード過程です。毎回操作するたびにアニメーションが出るのですが、長すぎたので短くします。

また、レベル4、8、12でアスペクトが強化されるのですが、クールダウンのアスペクトが人気な割にこれが失敗してしまうことがあり、今までの頑張りがフイになるので失敗すること自体を削除致します。

今回、焼戻(やきもどし)というシステムも追加されるのですが、素材アイテムが足りないというFBもありました。なので、獲得しやすくなるように修正します。

これ以外にも色々FBをもらったので、細かいものは今度の配信で語らせていただきます。

Q.今回追加される「焼戻」とはどういう仕組みなのか、簡単にご説明いただけますか? またどんな狙いがありますか?

Joseph:ゲームをプレイしていくなかで、焼戻効果が付いている本が手に入ります。これを街にいる特定のNPCに持って行くと、その効果が特定の武器や防具に最大で2つ付きます。

実際どういうものかというと、たとえば単純に魔法が2回出るようになるとか、効果の範囲が広がるもの、ローグのグレネードというスキルがピンポイントに変化したりと様々で、今までのビルドに手を入れていく感じになります。

シーズン3まではアイテムに付いている効果が発動する条件が細かく決められていました。敵が遠くにいる時~とか、敵が出血している時~といった具合ですね。あまりに細かすぎて、じっくり見定めないとわかりづらかったんですよね。よって、シーズン4からは一見してわかりやすくしていきたいと考えています。

バッグ内のどのアイテムが一番強いかをすぐに見定めたうえで、焼戻でそのアイテムをどんどん強くできる……そんな風に遊べるようになっています。

Q.シーズン4のテーマや、遊び方の方向性について教えていただけますか?

Deric:テーマは、シーズン4のサブタイトルにもある「武装再錬」です。これはアイテムのリワークだけではなくて、色々な修正があります。安心してほしいのですが、今回追加される名工品や焼戻は、シーズナルだけでなく、エターナル・キャラクターのほうにも入ります。そちらでもお楽しみください。

シーズナルのほうでは鉄狼団をメインにしたクエストを追いかけることになります。ヘルタイドが強化された理由について迫っていきます。このクエストを進めていくと名声が18段階アップグレードされ、上げれば上げるほどより強いアイテムが貰えるようになります。

Joseph:ヘルタイドですが、シーズン2にあった「血の収穫」というイベントを参考にしました。ユーザーからのFBが良かったので、これをどうやって再現するかと考え、ヘルタイドと結びつけました。

色々な敵が一気に襲い掛かってきたりとか、アイテムがバンバン落ちてくるとか、小さなアクティビティや遊びが至る所にあります。

Q.低レベル帯における遊びやプレイフィールはシーズン4で変わりますか?

Deric:一番大きい変化は、やはりヘルタイドです。今まではワールドティアⅢとⅣでしか起きなかったイベントなんですが、これからはワールドティアⅠとⅡからでも起こるようになりました。キャンペーンさえスキップすればすぐに参加できます。

名工品については、ワールドティアⅣでのみ発生するので、こちらは完全にエンドコンテンツになります。

Joseph:シーズン3でも得られる経験値を多くしたんですけども、どうしてもレベル上げがゆっくりになりがちでした。なのでシーズン4では、ワールドティアⅡで上昇する経験値倍率を25%から50パーセントに増やしました。ユニークアイテムも、ワールドティアⅠやⅡでも落ちるようにしました。これによってビルド自体を変えていく楽しみを先に感じて欲しいです。

Q.シーズン4で追加されるピット(奈落)ですが、これは『ディアブロⅢ』の「グレーターリフト」と比べてどう違いますか?

Joseph:グレーターリフトに似てる部分は確かにあります。時間に追われながら戦う楽しみという点では一緒ですね。しかし、当然変えている部分もあります。

グレーターリフトと違う理由は2つあります。1つ目は、ここで手に入る素材を使って名工品を鍛えるということですね。得られる素材は深く行けば行くほど良い素材が見つかります。

2つ目は、奈落の中で起きるイベントやギミックとして、強化されたボスが出てくる点です。たとえば、レベル200の「リリスのエコー」などが一瞬だけ出てきて、攻撃をしてすぐに消えます。レベル100から200のエリアが特に大変で、最後にはレベル200のボスが出てきます。現状のゲーム内ではこれが最強であり、倒すのはとても骨が折れますよ。

Q.今後のアイテムは、焼戻や名工品制作で既存の物をカスタマイズするのがメインになるのか、ドロップも楽しめるのか、どちらでしょうか。

Joseph:アイテムに付いている効果がさらに強力になるというのが、今回のシーズン4の目玉です。より良いアイテム自体がドロップすることもあるし、より良いアフェックスが手に入ることもあります。大したことのないアイテムでも名工品の素材にできるので、アイテム探し全体が楽しいと思います。

アイテムジャーニーはRPGの真髄だと、僕らも思っています。質問に対する答えは「両方ある」ですね。

Q.復帰ユーザーはどの点に注目して遊べばいいですか?

Deric:新しくなったヘルタイドを楽しんでほしいですね。もう一度言いますが、今回からはワールドティアⅠとⅡで楽しめますよ。ミニボスなども増えています。

脅威度というメーターも追加されまして、これがMAXになると敵がドドッと強化されます。その恐ろしさを体験してほしいです。

Joseph:各クラスも修正しています。たとえば、ネクロマンサーは相当面白くなっています。スケルトンの遊び方がかなり変わりました。

大きい答えにはなってしまいますが、どういう調整や変化が起きたのかということ自体を楽しんでほしいですね。僕らはいつも新しい『ディアブロⅣ』を作ることを目標にしているので、それを実感してくれたら嬉しいです。


以上『ディアブロⅣ』の開発者インタビューでした。闇に呑まれるサンクチュアリの冒険は、新たな局面を迎えます。最高のハクスラ体験に乗り遅れるな!

『ディアブロⅣ』は、PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Windows(SteamBattle.net)向けに販売中。「シーズン4:武装再錬」は5月15日の配信です。

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