深刻な教員不足 県が大学に「教育学部」復活を打診も…大学側「学部復活はハードル高い」 理由は?

教員不足が深刻な鳥取県は、鳥取大学に対し教育学部の復活などを求め1日、大学側との初会合を開きました。しかしこの中で大学側は「学部の復活はハードルが高い」との認識を示しました。その理由とは?

会合には鳥取県から平井知事と足羽教育長、鳥取大学から中島学長などが出席しました。

鳥取県 平井伸治 知事
「世界の中で地盤沈下をしていると言われ、人材を育成をすることに、もっともっと投資をしてもいいのではないか。本県でいうと鳥取大学さんがその一番の要」

会ではまず県側が、ここ数年の公立学校の教員採用について、計画の人数に達していないと説明。特に小学校の教員確保が困難で、鳥取大学からの採用者も1割以下となっていることから、大学に対し教育学部や教員養成学科の設置などを求めました。

これに対し鳥取大学は、2004年に島根大学との間で教員養成系の学部再編がなされた後も教員養成自体は行っていて、現在は、地域学部の人間形成コースで小学校教員の免許を取ることが可能などと説明。

そのうえで、学部や学科を新設し卒業生を輩出するまでに最短でも7年かかり、その時の教員需要が見えないことからハードルが高いとし、教員養成機能があることが伝わるようコース名の変更などを検討したいとしました。

鳥取大学 中島廣光 学長
「現時点で教員不足が深刻であれば、かなり即効性のある方法がいいのではと大学としては考えている。現在も教員養成機能があるので、そこを強化した方が即効性があると考えている」

鳥取県 平井伸治 知事
「地域の高校生が大学を目指し、また、出た学生が地域で学校の先生になる、こういういい循環が地域の大学との間で生まれるかどうか、論点をこれから整理していかないといけない」

平井知事は「鳥取ならではの方式を探っていきたい」と述べ、今後はワーキンググループを作り、実務者レベルで協議続けていくということです。

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