わかった人いる? 劇場版『名探偵コナン』の定番「阿笠博士のダジャレクイズ」歴代の難問たち

『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(C)2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

4月12日に公開されたアニメ『名探偵コナン』の劇場版シリーズ最新作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』が観客動員644万人、興行収入92億円を記録。これにより、これまでの劇場版シリーズの累計観客動員数が1億人を突破したことが発表された。

さて、映画の『コナン』といえば、物語の序盤などにクイズが登場するのがおなじみだ。出題者となるのは、たいていの場合がコナンの協力者である阿笠博士。「阿笠博士のダジャレクイズ」として映画のお決まりとなっているため、毎年このクイズを楽しみに劇場に足を運ぶという人も多いだろう。

クイズの内容は主に映画の内容やテーマになぞらえたものだが、そのシンキングタイムはかなり短い。中には映画のメインターゲット層である子どもにはどうやっても分からないのではないかという、教養が必要な難問もある。

今回はこれまで27作に渡って公開されてきた劇場版『名探偵コナン』を振り返り、作中で出題された「超難問ダジャレクイズ」を紹介したい。

【※以下、記事にはクイズの設問と解答のネタバレを含みます。】

■「コクーンにハマった社員を見た社長はどうした?」

まずは2002年に公開された6作目『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』より。今でもファンからの人気が高い一作で、コナンらが新型仮想体感ゲーム機「コクーン」の中に入り、ゲームに参加しながら事件を解決しようと奔走するストーリーだ。

劇中で阿笠博士が出したクイズは、「このゲーム会社のAさんが仕事中についついコクーンにハマってしまいました。それを見た社長はAさんをどうしたでしょうか?」というもの。

いくつか選択肢が挙げられた中、博士から明かされたのは「仕事中に遊んでいたのでクビにした」という答え。「コクーン」とは「繭(まゆ)」という意味で、繭を作る「蚕(かいこ)」→「かいこ」→「解雇(クビ)」ということで、ダジャレを元にしたクイズだというオチだ。

これに答えたコナンは「寒……」と体を震わせ、元太たちも温かい飲み物を取りに行っていた。阿笠博士のダジャレ=寒い、というのがやはり周りからの評価のようだ。

続いては2017年の21作目『名探偵コナン から紅の恋歌』より。服部平次と遠山和葉がメインとなる、「競技かるた」を題材としたストーリーだ。

本作で阿笠博士がテレビ電話で出題したのは、「競技かるたは、その独特のスタイルが日本の伝統的作業に似ていると言われるが、それは次のうちどれ?」という問題。

一見すると本当にしっかりとした由来のある問題のように感じるが、やはりここは阿笠博士のダジャレクイズ。

答えは選択肢の中にあった「稲刈り」で、「かるた→刈る田(かるた)→稲刈り」という理屈になっている。考える時間さえちゃんとあれば解けそうな、すっきりとした問題かもしれない。

■歴代コナンクイズの中でも屈指の難問?

歴代のクイズで最も難しいとファンの間で有名なのは、記念すべき劇場版1作目である1997年の『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』で建築家・森谷教授が出題した問題だろう。

これは、とある3名のパソコンの「パスワード」を推理するクイズで、コナンの持つメモには「小山田 力(おやまだ ちから) A型 昭和31年10月生まれ 趣味・温泉めぐり」「空飛 佐助(そらとび さすけ) B型 昭和32年6月生まれ 趣味・ハンググライダー」「此掘 二(ここほり ふたつ) O型 昭和33年1月生まれ 趣味・散歩」と記されていた。

この答えは「ももたろう」。なぜなら3人の生まれた年が「昭和31年→申年 昭和32年→酉年 昭和33年→戌年」と、みな桃太郎の家来になっているからだ。視聴者層である小中学生が短時間で干支を導き出すことはなかなか難しいだろう。

さて、いつもは阿笠博士がクイズを出題するのが定番になっているが、2004年の8作目『名探偵コナン 銀翼の奇術師』は怪盗キッドがキーパーソンとなった映画で、ダジャレクイズを工藤新一に変装したキッドがクイズを出題していた。

問題は「ナポレオンの土地に2人の日本人が家を建てたそうだ。その2人とは、次のうち誰と誰? 1.冬野さん 2.古野さん 3.深野さん」というもの。

この答えは「冬野さん」と「古野さん」。ナポレオンの言葉の「我が辞書に不可能の文字はない」という言葉を「我が地所(じしょ)に深野の文字はない」と変換したもので「深野さん」だけが違うというダジャレ。キッドも意外とダジャレを言うのだとファンを驚かせたクイズだった。

ちなみにこれらのクイズは、『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で放送される際にはカットされることが多い。劇場版でのお楽しみのクイズ、ぜひ公開中の映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』でも体験してみてはいかがだろうか。

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