“17秒間で7得点”の猛攻でシクサーズに逆転勝利を呼び込んだマキシー「とにかく生き残る方法を見つけようと思っていた」<DUNKSHOOT>

現地時間4月30日(日本時間5月1日)、フィラデルフィア・セブンティシクサーズは敵地マディソンスクエア・ガーデン(MSG)でニューヨーク・ニックスとのプレーオフ・ファーストラウンド第5戦に挑み、延長の末に112-106で勝利。シリーズ2勝目を手にした。

1勝3敗とニックスに王手をかけられて迎えたゲーム5。シクサーズは第1クォーターを9点リードで終えるも、第2クォーターに17-32と試合をひっくり返され、第4クォーター残り28.6秒で90-96と6点のビハインドを背負っていた。

しかし残り25.4秒、シクサーズはタイリース・マキシーがミッチェル・ロビンソンのファウルを受けながら3ポイントをねじ込み、ボーナススローも決めて4点プレーを完成させる。さらにマキシーは3点を追う残り8.5秒、35フィート(約10.7m)のディープスリーを沈め、シクサーズは97-97の同点に追いついた。

オーバータイムではジェイレン・ブランソンの連続得点でニックスに先行を許すも、マキシーの3ポイントで追い上げ、ケリー・ウーブレイJr.のダンク、ジョエル・エンビードの3ポイントプレーなど、9-0のランでシクサーズは逆転。残り1分14秒にブランソンの3ポイントで同点に追いつかれたが、ウーブレイJr,のレイアップ、トバイアス・ハリスとマキシーのフリースロー4本で激戦を制した。

主砲エンビードは片頭痛で試合前のシュートアラウンドを欠場。試合では19得点、16リバウンド、10アシストのトリプルダブルと奮闘したが、フィールドゴール成功率36.8%(7/19)、9ターンオーバーと苦しんだ。そんななか、マキシーは7本の3ポイントを含む、ゲームハイの46得点に5リバウンド、9アシストとチームを牽引した。
この46得点は、2001年のカンファレンス決勝第7戦(vsミルウォーキー・バックス)でアレン・アイバーソンが残した44得点を上回り、負けたらシリーズ敗退が決まるエリミネーションゲームでの球団最多得点となった。

今季、最も成長した選手(MIP賞)に選ばれた23歳はゲーム後、第4クォーター終盤に6点差をつけられた場面を次のように振り返った。

「とにかく生き残る方法を見つけようと思っていた。シーズンは危機に瀕している。僕は自分を信頼しているし、これまでの人生でやってきたことを信頼している。だから、ただスポットに行ってシュートを打ち続けようとしたんだ」

シクサーズのニック・ナースHC(ヘッドコーチ)は、「第1オプション(エンビード)が苦戦していたことを考えると、彼が 『わかった、僕がチームを背負っていくよ』と思ってくれたんだろう。彼にはチャンスを掴んでショットを決め、プレーをするように励まし続けたよ。そして彼は確かにそれを実行し、リズムに乗って多くのシュートを決めた」と勝利の立役者となったマキシーを称えた。

敗戦濃厚な状況から“17秒間で7得点”を叩き出し、シクサーズに逆転勝利を呼び込んだマキシー。1995年に同じMSGでレジー・ミラー(当時インディアナ・ペイサーズ)が披露した“9秒間で8得点”を彷彿とさせる超絶パフォーマンスだった。

構成●ダンクシュート編集部

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