デンマークで躍動するパリ世代のキーマン鈴木唯人に、複数の強豪クラブが熱視線!所属クラブは残留希望も「移籍が絶対ないとは言えない」

久保建英と同じ2001年生まれの22歳で、現在デンマークのブレンビーに所属する日本人プレーヤー、鈴木唯人がヨーロッパの複数の強豪クラブから熱視線を浴びている。

2023年1月からの約半年間、フランス1部のストラスブールでのプレー経験があるとはいえ、同年8月にデンマークに渡ったばかりの鈴木が注目される最大のきっかけとなったのは、やはり今年3月のレギュラーシーズン最終節、シルケボリ戦でのハットトリックが大きい。

頭と左右の両足で1ゴールずつ挙げ、チームを4-1の勝利に導いた活躍は、ヨーロッパの強豪クラブの関心を引くのに十分だった。しかも、プレーオフに入ってからもその勢いは止まらない。3節までの3試合すべてでアシストをマークすると(計4アシスト)、4節のミッティラン戦で2ゴール、5節のノアシェラン戦でも1ゴールを挙げているのだ。

デンマーク紙『bold』によれば、その4節のミッティラン戦には、マンチェスター・シティ、リバプール、トッテナム、ナント、アヤックス、シュツットガルト、ウニオン・ベルリン、レアル・ソシエダ、ホッフェンハイム、ヘンク、ヴォルフスブルク、パルマの12クラブが視察に訪れていたという。

同紙の取材にブレンビーのフットボールディレクターは、「我々としては来シーズンも鈴木をチームに維持したいと考えています」と前置きしながらも、「この世界では(移籍が)絶対ないとは言えません」と語っている。
パリ五輪世代でもある鈴木は、クラブの許可が下りず、現在カタールで開催中のU-23アジアカップには参戦していないものの、U-23代表の「10番」を背負い、チームの中軸を担ってきたひとりだ。

昨年11月に実施されたアルゼンチンU-23代表との強化試合では、W杯優勝メンバーでもあるチアゴ・アルマダ(アトランタ・ユナイテッド)をはじめ、ファクンド・ブオナノッテ(ブライトン)やニコ・パス(レアル・マドリー)など、強力なメンバーを擁する南米の強豪から2ゴールを奪い、日本の5-2の勝利に大きく貢献している。

ドイツの移籍情報サイト『transfermarkt』によれば、2024年4月30日時点で、鈴木の推定市場価格は90万ユーロ(約1億5000万円)となっている。今シーズンのブレンビーでの4月末までの公式戦の記録は、25試合・10得点・7アシスト。入団1年目とは思えない成績だ。この好調を維持したままシーズンを終え、さらにパリ五輪で華々しい“世界デビュー”を飾ることができれば、今夏の争奪戦は激しさを増し、市場価格は一気に高騰するだろう。

北欧の地で躍動する22歳は、ここからの数か月でどこまで自身の価値を高められるのか。そして新シーズンを、どのクラブで迎えるのか。目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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