優勝→3位→優勝の3年は「昔の話」 岩田寛の意気込みは…

岩田選手、こっち向いて!(撮影/桂川洋一)

◇国内男子◇中日クラウンズ 事前情報(1日)◇名古屋GC和合C(愛知)◇6557yd(パー70)

その昔、和合コースを2度制した安田春雄(1968、70年)は“初代クラウンズ男”と呼ばれたという(大会公式ホームページより)。今年64回目を迎える「中日クラウンズ」で、これまで複数回優勝を飾った選手はほかに6人。岩田寛もその一人だが、「感慨? 全然ないです。もう昔の話なんで」とそっけない。

ディフェンディングチャンピオンであるどころか、直近3大会は優勝、3位、優勝という出来だ。何代目かのクラウンズ男であっても良さそうなものだが、開幕前日のプロアマ戦の最中も「一昨年の最終日、そういえば土砂降りだったなと思ったくらい」と甘い思い出に浸る様子もない。ティオフを翌日に控えたインタビュー。「何も考えたくないです。ひとつずつ」と淡々と言った。しかも2回。

あ、向いた(撮影/桂川洋一)

狭いフェアウェイ、ドッグレッグの連続に小さな砲台グリーン。コースを歩くたびに難しさを感じるからこそ、自分で好相性とは思えない。過度な意気込みは禁物。「それで良くなるなら、しますけど…。良くなった試しがないから。気合も入れないけど、やる気がないのもダメ。フラットくらいがいいです」と冷静に目の前の72ホールを見つめた。

大会で3勝以上を挙げたのは、ともに3連覇を含む5勝の青木功と尾崎将司だけだ。レジェンド2人に近づく目の前のチャンスも、どうにも43歳のモチベーションには直接つながらない。「青木さんとジャンボさんって何勝してるんですか?(青木は通算51勝、尾崎94勝/いずれも1973年ツアー制施行後)僕、(通算)5勝ですよ。おこがましい」。苦笑いして背を向けた。(愛知県東郷町/桂川洋一)

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