政府介入あった?急速な円安 GW後半の旅行・食卓に影響は【新潟】

急速な円安 政府介入あった?

ゴールデンウィークで海外旅行に行く人も多いなか、円安の逆風が続いています。政府が為替介入に踏み切ったとも言われるなか、その背景や影響を取材しました。

■岡三にいがた証券 橋本貢浩エクイティ情報部長
「160円のところまで円安が進むとは思っていなかった。」

外国為替市場では4月29日、円相場が一時1ドル=160円台まで急落しました。1990年以来という円安水準です。
■岡三にいがた証券 橋本貢浩エクイティ情報部長
「アメリカ経済が高い金利に耐えられず経済が弱くなっていくと思っていたが、実際は米の景気は強いままだったので金利は高いまま推移した。つまり日本と米の金利差が開いたままの状態になってしまったことで、より魅力的なアメリカ通貨に資金が流れていった。」

しかしその後、円相場は一時1ドル=154円台まで急上昇。市場では政府が「為替介入」に踏み切った可能性があるとの見方が強まっています。
■岡三にいがた証券 橋本貢浩エクイティ情報部長
「大きく為替が変動した場合に為替を安定させるために、外国通貨を買ったり売ったりすることを為替介入という。モノの値段が上がり消費をしなくなると景気の好循環が生まれなくなる可能性があるので、急激な円安は許容できないと判断したのではないか。」

円安が続き、店頭では輸入食材が既に値上がりしています。オーストラリア産の牛肉は、以前は1kg1400円ほどでしたが現在は1700円ほど。さらに果物も値上がりしています。

そして、これから海外旅行に出かける人もいるゴールデンウィーク後半。欧米に向かう人からは節約するとの声も上がっている一方、新潟空港からの直行便がある韓国や中国・台湾は比較的円安の影響を受けておらず、旅行先としてお勧めだといいます。
■岡三にいがた証券 橋本貢浩エクイティ情報部長
「韓国ウォンや台湾ドルは5%も円安には動いていないので、アメリカに行くよりはアジア圏の方が行きやすいかなと思う。」

さらに、円安は来日する外国人客にとっては追い風。韓国や台湾からの来日率は、新型コロナ禍前に戻っています。いわゆる爆買いなど、国内への経済効果が期待されます。

また、円安の影響は、私たちの生活を直撃します。
■マルセン 太田雅悠専務
「円安の影響で、かなり単価が高くなってきている物もちらほら出てきていて、我々としては非常に苦慮しなければいけない状況と感じている。」

輸入牛肉以外にも日常的に食卓に並ぶ輸入食品であるオレンジやレモンなどの柑橘系の果物も、1個当たり30円から50円ほど値上がりしているといいます。この影響はジュースにも。
■マルセン 太田雅悠専務
「以前はオレンジ100%のジュースを扱っていたが、最近はオレンジが全く入ってこないということで、リンゴとブドウが入ったミックスジュースになっている。」

■買い物客
「物価高ばかりで家計が大変。だから値段見ながら生活していないと。」
「俺みたいな年金生活者は特に大変。5時や6時になると割引になる物を狙って買う。」

今後も円安が続くと更なる値上げに踏み切る可能性もあるといいますが、懸念しているのは客の買い控えです。
■マルセン 太田雅悠専務
「我々としてもなるべくお客様に納得していただけるような形で、利益を削りながら少しずつ値段を上げていく取り組みが必要。」

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