東京15区の補選結果から政局を予想!自民党が不戦敗で失ったものとは?!日本保守党の展望は?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2024年4月30日公開された動画ではゲストに情報法制研究所事務局次長の山本一郎氏をお招きし、東京15区補選結果をどう見るか?について語っていただきました。

今後の政党の勢力図はどのように変わっていくのか?!

【このトピックのポイント】
・1位は立憲!2位以下の番狂わせとは?!
・日本保守党の支持層広がる今後の展望は?
・自民党の不戦敗でみそぎの機会を失った?!

東京15区の結果をどうみる!

4月28日に投開票された衆議院の3つの補欠選挙は、立憲民主党が全勝しました。

9人が立候補した東京15区では、立憲民主党の酒井菜摘氏が5万票近くを獲得し初当選。続いて、無所属の須藤元気氏、日本維新の会の金澤結衣氏、日本保守党の飯山陽氏、無所属の乙武洋匡氏が続きました。

MC鈴木邦和「率直な感想はいかがですか?」

山本一郎氏「ほぼ順当な結論にはなった。一方で番狂わせというか、思っていたのとちょっと違うのもあった」

山本氏は、東京15区では9回の調査に入ったそうです。

「初っ端の調査から酒井さんは優勢だった」と語り、2位以下については「選挙活動前の勢力調査の通りの結果になった」とコメントしました。

MC鈴木は、乙武氏に最終的に自公の推薦が付かず、自公が候補者を出さなかったために支持層の票が割れたことに関しての見解を問いかけました。

乙武氏について「もっと捨て身で自民党と公明党に対して、推薦願いを出して良かったんじゃないか」と山本氏。

自民党としては不戦敗を避けたい反面、大負けをすると執行部責任を強く問われるとすごく悩んでいた時期。一方で、公明党も小池都知事の顔に泥を塗るわけにはいかないので、「ある程度応援せざるを得ない」状況でした。

「自民党も乙武氏が出たいと言えば、推薦を出したのではないか」と山本氏。「自公の推薦があれば、5位という結果にはならなかったのではないかと思う」と分析しました。

通常であれば、出馬調整は「告示の2週間前には済ませておくもの」。しかし、調整が遅れたのは「4月5日の(政治資金問題の)党内処分をどういう形で着地させるかを優先させていた。東京15区どころじゃなかった」と解説。

山本氏「岸田文雄さんがこれからどういう政治的判断をされるのかというところには、深く関わってこない。どうせ勝てないところに、無理に公認出してもという考え方は、自民党の中にあったんじゃないかな」

各個人の結果から見える今後の政党の勢力図とは?

次は、各個人の結果について、山本氏に解説をしていただきましょう。

酒井氏が5万票近くを獲得した結果については「順当」と山本氏。

山本氏は投票率が43〜44%、得票数を5万5千票〜6万弱を予想していましたが、投票率が40.70%と予想より低かったとコメントしました。

須藤氏が2位という結果でした。「須藤さんはものすごい人柄がいい。愛される人」と山本氏。「地元の応援団もしっかりしていて、地元にちゃんと刺さっている政治家」と語ります。一方で、湾岸地域では反ワクチンや原発反対などの政策もあり支持が伸びず、「地域で得票に差が出てる」と解説しました。

MC鈴木「NHKの出口調査でも、須藤氏は自民党支持層のおよそ20%、公明党支持層の20パーセントの台半ばを取っているのに、ビックリしました」

山本氏「地元では、須藤さんはすごく人気のある方。自主投票になった政党(支持者)が、須藤さんに投票するのは全然あり得る」結果だと語りました。

金澤氏については、前回出馬した時よりも惜敗率を落としました。

今回、山本氏は「深川や亀戸でグループヒアリングを行った際に『金澤さんを見たことない』という人がいた」と語ります。辻立ちを15,000回やったと話す金澤氏ですが、肝心の有権者が「この人知らない」という状況でした。

山本氏は「有権者は色んな所に散っているわけで、本当に地道にやっているのであれば、もうちょっと知名度が上がったはず」と語り「運動量が足りなかったのか、もしくはやっている運動が本来やるべきことではなかったのか、その辺はちょっと反省するべきところかな」とコメントしました。

2万4千票を獲得した飯山氏については「なんだかよくわからない」と山本氏。

MC鈴木は「山本さんでもわからないことがあるんですか!」と思わず驚きます。

飯山氏は、電話調査では、5位など下の方の結果となることも。しかし、インターネットの調査では順位が上がる傾向があり、25,000票近く獲得した結果から「浸透はしていた」と分析する一方で「どこに浸透していたかよくわからない」と山本氏。

飯山氏は、街頭演説でも多くの人が集まり、注目候補でした。「特定の政党からの支持ではなく、諸派からガバッと票が集まる」傾向があり「今までの政治調査やその有権者に対するヒアリングから漏れた有力候補」と解説しました。

また、今回の選挙結果を見ると日本保守党は、「今後全国比例で2.5〜3の議席を取って国政政党化して、民族系保守の牙城になる可能性も否定できない」と山本氏は仮説を述べました。

乙武氏については、山本氏のヒアリングでは「乙武さんが政治家になることを、みんながあんまり望んでいない」と感じたと話します。

人柄を知られていて、身体障がい者という強い属性がある乙武氏を「自分達の代表として、弱者の代弁者として、乙武さんを担ぐかというと反対ではないけど、ピンとこないという感じ」と分析しました。

根本氏については「自分の活動を皆さんに知ってもらって、表現したいという気持ちが強い人。別の形でうまく世に出てくるといいなと思う」とコメント。

8千票を取った秋元氏は「8千票止まりという人もいれば、8千票も取ったとも言える。なんかいい形で戻ってきてくれると面白いかな」と語り、福永氏は「すぐ日本からいなくなっちゃうから、もうちょっと頑張っていただいた方がいいかな」と語りました。

吉川氏については「飯山さんと同じバスケットの中からリンゴを取り合った状態」と語り、もし吉川氏が出なかったら、飯山氏は3万票超えていたのではないか?と仮説を語りました。

MC鈴木は「岩盤保守層という言い方が出てきているように、日本保守党や参政党などの強い保守層はどの位のボリュームとして見ておくべきなのでしょうか」と質問。

山本氏は「ある局面で、瞬間風速的に支持を伸ばす」のはよくある傾向だと語り、今後の課題としては、「活動を地道に長く続けられるかどうか」だと分析します。

党の運営という観点から見ると「経験を積み始めているところ」だと分析し、「幹部というか、党自体を仕切れる人がどれだけ相互の信頼関係を持って、1つの目標に向かって走っていくことができるかという、シンプルだけど大事なことが、これから問われる」と分析しました。

自民は候補者を出して負けるべきだったのか?!

MC鈴木「東京15区の総括、全体を通して一言いただけますでしょうか?」

山本氏「私個人の考えとしては、自公は候補者を出すべきだった」

「政治資金問題に関して、国民は怒っている。自公の信頼関係に隙間風が吹いている。その政治とカネの動きに対して、自民党は本当に反省をしているんですか?と問われていた」と山本氏。「反省しているということを見せるために、ちゃんと負けなきゃいけなかったと思う」とコメントしました。

負けると執行部の責任を問われますが、「あれは、みそぎでした」と言えるような予防線も張って、選挙を戦うべきだったのではないかと山本氏はまとめました。

動画本編はこちら!

立憲の圧倒的勝利!今後の政局はどのように変わるのか?

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