石原さとみ「本当にこういう役がやりたかった、宝物ですね」

映画『ミッシング』のプレミア試写会が5月1日、大阪市内の映画館でおこなわれ、主演の石原さとみ、青木崇高、吉田恵輔監督が登壇。舞台挨拶をおこなった。

主演映画『ミッシング』の舞台挨拶に登壇した女優・石原さとみ(5月1日・大阪市内)

本作は、映画『愛しのアイリーン』『空白』など、人間の業を深く、鋭く描く作風で知られる吉田監督のオリジナル脚本。突然失踪した愛娘を懸命に探し続けるも、なんの手がかりもないまま3カ月が過ぎ、視聴率目当てのマスコミ報道やSNSの誹謗中傷により、次第に心を失っていく母・沙緒里が娘に会いたい一心で世間にすがり続ける姿を描いている。

7年前、吉田作品への出演を監督に直談判したという石原は、「その3年後に脚本をいただいて、もう飛び跳ねるくらい本当にうれしくて。苦しいなかにも最後に考えさせられる台本で、これはつらい撮影になるなと。ちょうど1年前に妊娠、出産を経て、本当に母親になった状態で母親役を演じさせていただいて。本当に苦しかったんですけど、涙が出るくらい幸せな時間でした」と振りかえった。

吉田作品のどこに惹かれたのか尋ねられた石原は、「私、映画を観ることが少しストレスだったんですね。学ばなきゃいけないという気持ちが先行してしまって。なんですけど、監督の作品の没入感というか、面白さにゾクゾクして。この世界に行きたいという気持ちがすごく強かったですね」と回答。吉田監督は「気持ちいいですね。石原さとみからそんなこと言われるのって、めちゃくちゃ気持ちいい。もっと言って欲しい(笑)」とはにかんだ。

左から、吉田恵輔監督、石原さとみ、青木崇高(5月1日・大阪市内)

そんな石原の演技について吉田監督は、「演出みたいなものは特になく。石原さんが野生の動物のように演じていて。俺は餌を置くイメージ。それで捕まえる、そういう演出です」と語り、「テイクごとに(石原の)熱量が違った。もう取り憑かれてる感じ、相当疲れたはずですよ。精神、相当削ったと思います」と振りかえると、石原は「疲れました。でも、こういう作品がやりたかったです。本当に、こういう役がやりたかった。ホントに学びが多くて、宝物ですね」と笑顔を見せた。

舞台挨拶の最後、「私が大げさではなく、本当に命がけで取り組んだ作品です。本当に苦しんですけど、あたたかくてやさしい作品です。みなさん、受け取っていただけたら」と語った石原。映画『ミッシング』は5月17日公開。石原、青木のほか、森優作、小野花梨、細川岳、中村倫也らがキャストに名を連ねている。音楽は世武裕子。※吉田監督の「吉」は、「つちよし」が正式表記。

映画『ミッシング』

2024年5月17日(金)公開
監督・脚本:吉田恵輔
出演:石原さとみ、中村倫也、青木崇高、森優作、小野花梨、細川岳
配給:ワーナー・ブラザース映画

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