第10回「大使杯」中国語朗読コンテスト、東京で開催

第10回「大使杯」中国語朗読コンテスト、東京で開催

4月29日、コンテスト終了後、記念撮影に臨む受賞者と来賓ら。(東京=新華社記者/胡暁格)

 【新華社東京5月1日】日本華文教育協会と全日本華僑華人社団連合会が主催する第10回「大使杯」中国語朗読コンテストが4月29日、東京で開かれた。出場者は、中国の伝統衣装である漢服やひだ付きスカート「馬面裙」を身にまとったり、中国カンフーや伝統芸能「快板」(かいばん、板状の楽器を使って拍子をとりながら早口で歌う大衆芸能)などを披露しながら、滑らかな中国語で奥深い中国文化への憧れと継承への決意を語った。

 今回は幼児(4~7歳)、児童(8~11歳)、自主創作の3部門に分かれ、日本全国の中国語学校から150人が参加。出場者のほとんどが華僑・華人の子女で、激戦の末、幼児部門は劉懿暘(りゅう・いよう)さん、児童部門は星野博さん、自主創作部門は劉悦婷(りゅう・えつてい)さんがそれぞれ最高賞の大使杯を獲得した。このほか54人が各部門の金、銀、銅賞を受賞した。

第10回「大使杯」中国語朗読コンテスト、東京で開催

4月29日、コンテストであいさつする在日中国大使館の陳巍(ちん・ぎ)公使参事官兼総領事。(東京=新華社記者/胡暁格)

 自主創作部門の出場者は、祖国や故郷、遠く離れた故郷の親族への思いをオリジナルの作品で表現した。大使杯を受賞した高校2年の劉悦婷さんは中国遼寧省で生まれ、1歳の時に来日。10年前に初めてコンテストに参加し、今回で4回目になる。「中国の夢」をテーマに、この10年の自らの成長と祖国の発展や変化を振り返り、「中国では誰もが一つの中国の夢を共有している。私の夢は大学卒業後に帰国して客室乗務員になること。得意の中国語と日本語を生かして、日本の友人たちに中国の美しい景色と多種多彩な中華文化を伝えたい」と将来の夢も語った。

 児童部門の会場では、子どもたちが楽しそうに中国の詩詞を朗読する声が響いた。銀賞を獲得した趙煦尭(ちょう・くぎょう)さんは「詩詞の中を歩く子ども」と題した作文を披露。幼い頃から日常生活の中で唐詩に触れ、小学校に入ると詩の世界に思いをはせながら、さまざまな想像を膨らませるようになったと語った。

第10回「大使杯」中国語朗読コンテスト、東京で開催

4月29日、コンテストの授賞式で「大使杯」受賞者に賞状を授与し、記念撮影する中国の呉江浩(ご・こうこう)駐日大使夫人で陽光学校校長の丁玥(てい・げつ)氏(右端)。(東京=新華社記者/胡暁格)

 幼児部門の大使杯に輝いた劉懿暘さんは、わずか6歳。サングラスをかけ、スーツケースを引きながら、中国全土を旅して中華圏の美食を食べ尽くしたいと大きな声で発表した。元気でかわいらしい姿に会場中が笑顔になり、拍手喝采が送られた。

 在日中国大使館の陳巍(ちん・ぎ)公使参事官兼総領事があいさつに立ち、中華人民共和国成立75周年の今年、大使杯中国語朗読コンテストも10回目の節目を迎えたと紹介。中国語は中華文化を伝える重要な役目を担っており、出場した子どもたちは中国語への熱意を常に持ち続け、中国語の学習を通じて中華文化を理解し、中国と日本をつなぐ小さな大使になってほしいと期待を寄せた。

 日本華文教育協会の顔安(がん・あん)会長は、コンテストが在日華僑華人の若い世代が中国語で中国文化を広める重要なプラットフォームになっており、若い人たちには太陽や空気と同じように中国語を学ぶことを大切にしてほしいと語った。(記者/胡暁格)

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