大航海時代舞台の航海アドベンチャー『サグレス』スイッチ版発売!“拡がっていく世界”の醍醐味を味わえる冒険の旅を楽しもう【特集】

大航海時代舞台の航海アドベンチャー『サグレス』スイッチ版発売!“拡がっていく世界”の醍醐味を味わえる冒険の旅を楽しもう【特集】

架け橋ゲームズは、oozeの手がける航海シミュレーションアドベンチャーゲーム『サグレス(Sagres)』のニンテンドースイッチ版を2024年4月17日に配信しました。Steam向けに2023年9月19日に正式版がリリースされた同作の移植作品です。

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本作の舞台は大航海時代の幕開けとなる15世紀。プレイヤーはポルトガルの小都市「サグレス」に設立された航海学校を卒業したばかりの主人公・フェルナンドとなり、友人であるルシアの父親を探すための航海の旅に出ることになります。

史実をベースにした世界地図で自由な航海や探検、交易、造船、戦闘など多くの要素が楽しめる本作。航海術や砲術などのスキルだけでなく、世界中の港で会話や調べ物に使う「言語」が重要なのが大きな特徴です。各地にいる航海士を集め、自分だけの探検隊を結成して航海を楽しみましょう。

本稿では、ニンテンドースイッチ版が配信された『サグレス』の魅力を紹介していきます!なお、プレイおよびスクリーンショット撮影はPC(Steam)板を使用しています。

いざ世界の海へ!内陸も探索できる冒険要素満載

『サグレス』の物語は、主人公のフェルナンドが航海学校の卒業面談を受けるシーンからスタート。この面談の回答によって初期ステータスが決定します。ちなみにこの航海学校は、史実でポルトガルの重要人物「エンリケ航海王子」が1415年に設立したと言われているもののようです。

フェルナンドはポルトガルの首都・リスボンで友人のルシアと再会し、彼女の父・アントニオが航海中に行方不明になったことを知らされます。どうやらその経緯にはいくつかの謎があるようで、ルシアは自らの手で父親を探すことを決意、フェルナンドもその旅へと同行することになります。

最初はチュートリアルとして、組合のベテランであるニコラウから船を借り受け、船の操縦や補充、簡単な探索ミッションを受けることになります。本作は冒険や発見に重きをおいていて、街の図書館で見つけた遺跡や遺物などの手がかりを元に、世界中を探索することも大きな目的です。

発見物は【組合】に報告すれば名声や報奨金を獲得でき、事前に組合と契約を結べば手付金がもらえます。チュートリアルでは「カルナック列石」を見つけるためにフランス西部の都市ナントへ。『サグレス』は海だけでなく陸も冒険可能で、内陸部にも多くの街が用意されています。

ナント郊外で無事に「カルナック列石」を発見・報告したところでチュートリアルは終了。ここからは自由な航海ができるようになります。日本語翻訳の質も含めて導入部からとても丁寧な説明の作品なので、ゲームの基礎はしっかり学べます。

言葉と仲間を求めてどこまでも

ゲーム内にはポルトガル語やスペイン語、ペルシャ語、東アジアなど複数の言語があり、登場キャラクターはそれぞれ扱える言語が異なります。さらに言語レベルは3段階のレベルに分かれていて、会話の理解度や図書館で調べられる書籍などに大きく差が生じます。

幸い言葉が通じないから港での補給できない、などの航海での不便はありません。しかし、冒険時に酒場のマスターからもらえるヒントがわからなくなってクエスト難易度が上がるなどの問題も生じます。そのため、必要な言語やスキルを使えるクルーを見つけるのも重要なポイントです。

すべての言語を少しずつ使えるクルー。

クルーは組合のある街で雇用可能ですが、探検隊で雇える人数は決まっているのでなんでもできる万能チームを作り出すことはできません。なお、クルーがいる町は変わることがなく、いつでも再雇用もできます。基本的に現地で雇用できるキャラは現地の言葉を使える事が多いので、図書館で特定の本を読むだけに雇う、といった運用法もできます。

フェルナンドは最初ポルトガル語しか使えませんが、クルーと一緒に町で行動していく内に、少しずつ言葉を学習していきます。航海スキルも少しずつ成長していくほか、一部の発見物からはパッシブ効果を持つアイテムも入手できます。スキルが育てば戦闘や航海でボーナスが得られるので、遊んでいく内に少しずつ冒険が楽になっていきます。

スキルが成長すれば冒険中のイベントにも対処しやすくなります。

クルーの運用は本作の醍醐味と言っていい部分。ありがたいことにクルー候補の情報はいつでも参照できるので、上手にやりくりしましょう。

ファンタジーな発見物も多めです。

良質なRPGとして楽しめる

本作のジャンルは航海シミュレーションアドベンチャーゲーム。最初はリスボンを中心にヨーロッパの航海から始まり、次第にアフリカやインド、新大陸といった、大航海時代の歴史をたどるような未知の世界の発見の旅へと発展していきます。

自由な冒険を行いつつ名声や爵位を稼ぎ、やがて国からの任務によって少しずつ世界の姿が明らかになっていく形式です。初期でも頑張れば東南アジアやジパングも目指せるのですが、大きな発見物の手がかりなども「エリアの発見・報告」がトリガーになるものが多く、図書館で閲覧できない事がほとんどです。

段階的に解放されていく世界やゲームシステム、装備やスキルを鍛えていく要素など、プレイフィールとしてはRPGのような部分が強い印象。航海中もプレイヤーが船を動かさなければ時間が止まりますし、戦闘はカードを用いたジャンケンが基本なので、急がされずゆっくり遊べるのも嬉しい部分です。航海中に目を離して事故るようなことはありません。

発見物によってはミニゲームも発生。

ゲームデザインも秀逸で、プレイしていて「ここがちょっと不便かな」と思った部分も、ゲームの進行とともにサポートする新機能の追加やシステム拡張が行われていきます。ゲーム自体の軽快な動作も含め、とにかく遊んでいてストレスを感じないゲーム性なのは大きな魅力です。

ちなみにゲーム内では序盤から中盤にかけて“とても大きなイベント”が起こり、新たな展開が巻き起こります。このあたりからストーリーや航海でできることも大幅に強化され、どんどんゲームに引き込まれていきます。航海アドベンチャーだけでなく、実に良質なRPGとしても楽しめる一本です。

交易の効果をアップする交渉ミニゲームも。

『サグレス』は大航海時代初期をテーマにしていて、そのストーリーの背景や各地の港、遺跡や遺物の発見物など、歴史を知る作品としても楽しめます。もちろんゲームとしてもカジュアルで丁寧に作られていて、どんどん世界が拡がっていくのをキャラクターの成長とともに実感できます。

ゲーム内の言語能力によって理解度が変化していくシステムも、基本的な航海部分に大きな影響を及ぼさないのは好感触。ストーリー上の成約はありますが、いきなり遠くの世界を目指しても何もできないということはありません。筆者は序盤に東アジアを目指し、装備の購入やクルー雇用などを行いました。

水や食料の消費が大きく、わりと長期航海がしづらい作品ですが、そこは多くの港を巡る楽しみも十分味わえますし、物資の消費を抑える船パーツなどもあります。先述した通り「ちょっと不便かな」と思う部分はどんどん解消されていくので、遊べば遊ぶほど大きく魅力が増していきます。

架け橋ゲームズ初のパブリッシング作品ということもあり、日本語翻訳の質も上々。大航海時代が好きな人、じっくり世界を拡げていくゲームが好きな人などにはぜひとも遊んでほしい作品です。

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