【巨人】「怖いのは岡本和真だけ」投手陣のほころびで〝負のスパイラル〟危機

孤軍奮闘する岡本和へのマークが厳しさを増してきた

負のスパイラルから抜け出せるか。巨人は1日のヤクルト戦(東京ドーム)で0―4と敗れ、今季初の同一カード3連敗。9連戦を4勝5敗で終え、最大4あった貯金を使い果たした。

先発した赤星が初回先頭から3連打され、わずか9球で3番・オスナに先制の3ランを浴びた。湿り気味の打線は相手先発・吉村の前に7回まで二塁すら踏めず無得点。終わってみれば今季3度目の零封負けに阿部監督は「もうね、ああいう展開になったらなかなか難しい。吉村くんもね、いいピッチングされたなと思います」と敗戦を受け止めた。その上で「勝率もこれで13(勝)の13(敗)。もう1回仕切り直しの気持ちで。一番いい相手と対戦できるんでね、仕切り直しでいきたいと思います」と3日からの阪神戦(東京ドーム)に切り替えた。

依然としてセ・リーグ2位だが、頼みの綱だった投手陣は3戦17失点とほころびが見え始めた。先月27日まで球団ワーストを更新する13試合連続3得点以下を記録した打線も、ここにきて直近3戦で0点、3点、0点と計3得点しかマークできておらず再び冷え込んでいる。

ライバル球団の007は「今の巨人打線で怖いのは4番・岡本和だけ。無理をして勝負する必要はないし、何なら歩かせてもいい」と指摘する。

開幕からチームでただ一人、不動の「4番・一塁」で出場を続ける岡本和真内野手(27)は打率3割2厘、4本塁打、14打点と孤軍奮闘。それでも〝四球OK〟の攻めに「落ちてますよね」と本人も認めるように長打率、打率ともに下がってきた。

球団関係者は「ヤクルトを見れば、好調のオスナとサンタナに挟まれて4番・村上も復調してきた。長年4番を務めた阿部監督も岡本(和)の前後を打つ打者の重要性は十分に分かっているが、駒がいない」と嘆く。岡本和だけにマークが集中する現状が徐々に大きな足かせとなりつつある。

開幕直前に大砲候補だったオドーアが退団した穴は埋まっていない。阿部監督は岡本和について「『自分が何とかしないと』っていうのを強く思い過ぎ」と心配する。

今のままでは岡本和が4番の責任を過剰に痛感すればするほど、悪循環を招く危険性もはらむ。危機回避には打線全体の活発化を待つしかないのか。

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