採用面接で「おでこ」は隠してはいけないの? 水原一平容疑者で火が付いたウワサの真偽

マッシュルームヘアに前髪垂らし、おでこを隠して…(水原一平容疑者)/(C)共同通信社

違法賭博に手を染め、24億5000万円以上のカネをロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の銀行口座から不正送金していたとして、専属通訳を解雇された水原一平容疑者(39)。事件発覚後、SNSでは水原の髪形をめぐって、ある話題で持ちきりとなった。

〈前髪でおでこを隠しているヤツはだいたいヤバイ〉〈マッシュルームヘアは絶対に採用してはいけない〉

SNSでフォロワー数の多い経営者やビジネス系インフルエンサーなどから、こうした発言が聞かれたのだ。

おでこを隠すのは、心理学や人相学で“自信のなさの表れ”と言われることもあるが、どうやらおでこを隠す人間は“隠し事が多い”“嘘が多い”などと解釈されているという。

一方で、こうした意見に〈単なる思い込み〉〈偏見だ〉〈くだらない〉という声も少なくない。

実際、採用の現場などでこのような言説は一般的なのか。人事ジャーナリストの溝上憲文氏はこう話す。

「以前、ZOZO創業者の前沢友作さんが『部屋に入ってきた瞬間にこいつ採用、こいつダメって瞬時にわかる』と発言したことがありましたが、あまりに非科学的なので批判記事を書いたことがありました。こうした時代錯誤な考えを持つのはアラフィフ以上に多い印象です」

おでこ隠しのほかに、やせよりがっちり、色白より色黒、声は大きいほうを「採用したい」という声も聞かれる。

「日本企業の多くは欧米と違い、ほとんどが書類と面接で採用を決めるので、どうしても所作や話し方、外見で判断してしまいがちです。しかし、直感で性格や能力を見極めるのが極めて難しいのは、面接をくぐり抜けてきた“猛者たち”の入社後を見ればわかると採用担当者から聞いたことがあります。外見はいくらでもつくろえる上に、面接官の心をくすぐるうまいことが言える人間などが通りやすい一方で、面接でおどおどしていたような学生が入社後に頭角を現すケースも少なくありません」(溝上憲文氏)

社風が合わないなどのミスマッチが起こったり、同じようなタイプの人間が集まったりしやすいのは、外見重視の採用結果とも言えなくないのかも。

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