岸田首相の起死回生策? 国会閉幕後に囁かれる「オールスター内閣改造」は成功するのか

正直もう内閣改造しか残っていない(C)共同通信社

3つの衆院補選に大敗したことで、さすがに岸田首相は6月末の「衆院解散」を断念した、という解説が一斉に流れている。代わりに浮上しているのが、国会閉会後の「内閣改造」説だ。

局面打開を狙って、大規模な人事を断行するのではないかとみられている。

「総理の権限は“解散権”と“人事権”の2つ。解散権を封じられたら、使えるのは人事権だけです。内閣改造が控えていれば、総理の求心力も高まります。というか、支持率をアップさせるには、もう内閣改造くらいしか残っていない。こうなったら、国民人気の高い議員を揃える“オールスター内閣”を誕生させるしかないでしょう」(官邸事情通)

しかし、内閣改造はもろ刃の剣だ。組閣後、新大臣にスキャンダルが発覚したら、もう一段、支持率が下落する恐れがある。実際、昨年秋には「政務三役」3人が次々にスキャンダル辞任し、内閣支持率を下落させている。さらに“死に体”内閣への入閣を拒否する議員が出てきてもおかしくない。入閣を断られたと分かったら、レームダックの色が強まり、内閣への打撃は大きい。

はたして、内閣改造はうまくいくのか。

「次に行われる内閣改造は、岸田首相が“派閥解消”を打ち出した後の、最初の改造になります。岸田首相は、派閥から“カネ”と“人事”を奪うと啖呵を切っている。内閣改造が成功するかどうかは、本当に“脱派閥”の人事を行えるかどうかでしょう。しかし、いまだに派閥会長をつづけている麻生副総裁が許すかどうか。茂木幹事長も事実上、派閥を維持している。少しでも、派閥の影が見える人事だったら、支持率は絶対に上がらない。刷新感を演出するなら、石破茂さんを幹事長に就けるのが早道です。ただし、石破さんのことを麻生副総裁は毛嫌いしている。はたして岸田首相は、麻生さん、茂木さんを切り捨てられるのでしょうか」(政界関係者)

政権は解散すれば強くなり、改造すれば弱体化する──というのが政界の通例である。内閣改造が命取りになるかもしれない。

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