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細いグラスウールをまとめて長い糸状にした上で、それらを並べて糸で縫い合わせて製造されているアコスタフィル。FRP工作で使用するガラスクロスも長いガラス繊維を編み込んだものだが、繊維がストレート状のガラスクロスに対して、アコスタフィルの繊維は縮れているため、シートに厚みが出て高い吸音効果を発揮する。
●文/写真:モトメカニック(栗田晃) ●外部リンク:キジマ
長いガラス繊維をシート状に編み込むことで飛散を防ぐ
ガラス繊維を重ね合わせたグラスウールは、吸音性が高いものの、経年変化で繊維が飛散すると消音性能が低下するため、定期的なウール交換が必要。また一般的なグラスウールはガラス繊維が短く、サイレンサーから取り出す際に手や顔にチクチクとまとわりついて不快なことも多い。
これに対してキジマの「アコスタフィル」は、長いガラス繊維をシート状に編み込むことで、飛散せず素手でも作業できる。また束にしたガラス繊維を用いることで、従来のガラスマットより密度が上がり、消音効果が高いのも特徴だ。
サイズ違いで3種類用意されているので、自分が修理したいマフラーによって使い分けることができる。既存のグラスウールと違いやや高価だが、チクチク感がないというので、その使用感も含め試してみた。
実際のウール交換で使用したところ、チクチク感がまったくなく快適で、シート状の繊維はカッターで簡単に切れるため、サイレンサー径やインナーバッフル長に合わせたサイズ調整も容易だった。もちろん、経年劣化でヘタった古いウールに対して、新品のアコスタフィルの消音効果が高いのは言うまでもない。
一度アコスタフィルを使えば、今後もチクチクとは無縁なので、定期的にメンテを行うユーザーにとってはリピート確実のアイテムである。
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糸状に編み込まれた長いガラス繊維をシート状にしたアコスタフィルの質感は、綿の雑巾のようで、ガラスマットやガラスクロスとはまったく異なる。
バッフルパイプに巻き付けたグラスウールの上からクロスを巻いてあるが、経年劣化により内側はかなり痩せている。ウールが飛散して空間が多くなると、消音効果が低下する。
短いガラス繊維を重ねたグラスウールがチクチクの元凶。繊維が短いので、バッフルパイプのパンチングメッシュを通って飛散してしまう。アコスタフィルは繊維が長いので、飛散する要素がない。
シート状なのでバッフルパイプに巻きやすく、圧縮ガラス繊維は熱によって膨張する性質があるので、きつく巻き付けてワイヤリングする必要もない。
巻き量はサイレンサーに軽く挿入できる程度で十分。
前後キャップをリベットで固定すれば、メンテナンス終了。従来のウール交換と異なる作業性の良さは秀逸だ。
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