上戸彩、中山秀征、倉木麻衣…中には犯人も!? 『名探偵コナン』で「芸能人が本人役で登場」した事件

『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(C)2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

現在公開中の劇場版シリーズ27作目となる最新作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』が、公開18日間で観客動員644万人を記録し、これまでのシリーズの観客動員数が1億人を突破した。

劇場版『コナン』には毎年豪華な俳優がゲスト声優として登場することでも注目され、今回の作品では俳優の大泉洋さんが、キーパーソンとなる北海道警捜査一課の刑事・川添善久役を務めている。川添刑事は一見ドジだが、意外と情報通な一面も持ち合わせているという、掴みどころのない役。大泉さんの演技を楽しみに劇場に足を運んだというファンも多いだろう。

『名探偵コナン』は1994年より『週刊少年サンデー』での連載がスタートした青山剛昌さんの漫画で、テレビアニメは1996年より放送開始。これまでさまざまな事件を扱ってきたアニメ『コナン』では、今回のような“役”としての芸能人の起用だけでなく、実在する“本人役”として有名人が登場することがまれにある。今回はそんなレアな回を振り返りたい。

■最初の本人登場は松尾貴史さん

一番最初にゲスト声優として芸能人が登場したのは、アニメの最初期となる31話の「テレビ局殺人事件」で犯人役となった俳優・ナレーターの松尾貴史さん。

このエピソードは、日売テレビの「日本まる見え探偵局」の収録に訪れたコナンたちが殺人事件に巻き込まれるというもの。『コナン』に本人役で登場した芸能人は基本的に犯人でも被害者でもないことが多いが、この事件では松尾さんが「テレビタレント松尾貴史(35)」として登場しており、事件の犯人となっている。

またこの回では、アニメ『コナン』のプロデューサーを務めている諏訪道彦さんが被害者となっていた。ちなみに諏訪さんは「広島宮島七不思議ツアー」と、後述する「世界一受けたい授業事件」にも「上諏訪幹彦」という名前で登場している。

贅沢な出演をした人物でいえば、女優の上戸彩さんがそうだろう。上戸さんが登場したのは、2006年放送の「上戸彩と新一4年前の約束」で、当時、サブタイトルにまで名前が登場したことが大きな話題となった。

役どころは、工藤新一の父・優作の小説を原作としたドラマの主役を務めた女優という本人役。上戸さんが女優になったきっかけは新一との約束だったという衝撃の設定が明かされた。

なお、上戸さんは2018年の劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』にもゲスト声優として登場している。実に12年ぶりの『コナン』への参加となった。

■バラエティ番組とのコラボ回では本人登場が定番に

過去には、実際に存在するバラエティ番組の名前を冠した『おじゃマンボウ』での事件も。

1993年から2006年まで日本テレビ系で放送されていた『TVおじゃマンボウ』の司会者である中山秀征さん、麻木久仁子さんが登場した「おじゃマンボウ殺人事件」はアニメオリジナル回で、「おじゃマンボウ」はバラエティ番組ではなく、清掃会社の名前として登場。中山さんと麻木さんの2人もそのままの名前で登場しているが、芸能人ではなく、その会社の社長と秘書という役柄だった。

この話では、会社の専務が会社近くの路地で落下物にあたって死亡。事故に見せかけたこの殺人事件を解決するという内容で、結局犯人は中山さんだった。

このほか、1時間スペシャル「テレビ局の悪魔」が井上和香さんや山本梓さん、桜塚やっくんさんやお笑いコンビのサバンナなど多くの芸能人がゲストとして登場しているお祭り回だったり、市川海老蔵(現:十三代目市川團十郎)さんが「コナンと海老蔵 歌舞伎十八番ミステリー」という回に毛利小五郎のファンの歌舞伎役者として登場したりもしている。

また、「世界一受けたい授業事件」は『世界一受けたい授業』の番組に小五郎が講師として出演するという話で、司会の堺正章さん、くりぃむしちゅーの上田晋也さんと有田哲平さんが本人役でそのまま出演。同日に放送された『世界一受けたい授業』では、劇中で壺が消えたトリックを実際の科学実験で再現するという“コラボ”もあった。

■倉木麻衣さんにTWO-MIXも登場

変わったところとしては、『コナン』の歴代主題歌歌手が本人役として登場することも。『Secret of my heart』などの主題歌を手がけ、「同一アーティストが歌唱するアニメシリーズのテーマソング最多数を記録」しギネス認定されたこともある歌手の倉木麻衣さんは、「大阪“3つのK”事件」「紅の修学旅行」と複数回にわたって出演した。「紅の修学旅行」では新一や蘭の修学旅行先で遭遇する役どころだった。

また、江戸川コナンの声を務める声優の高山みなみさんが本人役で登場し、同じ回でコナンと2役をこなすこともあった。

「人気アーティスト誘拐事件」では高山さんと永野椎菜さんのユニット「TWO-MIX」が登場。作中ではコナンと高山さんが協力して事件を解決することになるが、光彦から「コナンと声がそっくり」というメタ的なツッコミもみられた。

このように、特に初期の『コナン』には面白いコラボが多かった。ちなみに、最も最近ゲスト声優が登場したのは2023年5月13日に放送された第1083話「Jリーグ決戦の舞台裏」。サッカーも『コナン』も大好きだという、元日向坂46の影山優佳さんがゲスト解説をする本人役として登場した。

映画だけでなくアニメでもたびたび登場するゲスト声優。これからも目が離せない!

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