「犬カフェ」の犬に思い切り指を噛まれ、出血しました。動物のやったことですが、慰謝料はもらえるでしょうか?

犬カフェの犬に噛まれたとき慰謝料の請求はできる?

犬カフェで犬と触れ合いを楽しんでいるときに、誤って犬が噛みついてきてけがをしてしまうことがあるかもしれません。病院で治療を受ければ治療費がかかりますが、このような場合に慰謝料を請求できるかどうかは、その状況によって異なるでしょう。

今回は、一般的に請求できるようなケースと請求が難しいケースの2パターンを紹介します。

咬傷事故として慰謝料を請求できるケースもある

犬カフェ側に違法行為があった場合は、慰謝料を請求できる可能性が高いです。民法第七百十八条では、「動物の占有者等の責任」についての内容が記載されており、動物の占有者は動物が他人に損害を与えた場合、その損害を賠償する責任を負うと定められています。

しかし、動物の種類や性質にしたがい、細心の注意をもって管理していた場合はこの限りではないとも記載されています。また、占有者に代わって動物を管理する者も同じように責任を負うとされています。

民法に掲載されている内容をもとにすると、犬カフェ側に対して慰謝料を請求できるケースはあると考えられるでしょう。

犬カフェが細心の注意を払い管理していた場合は難しい

しかし、犬カフェの管理者などが相当な注意を払って管理していた場合は、責任を問えない可能性があります。ただし、細心の注意をもって管理していたかどうかを個人が判断するのは難しいでしょう。そのため、実際に慰謝料を請求したいと考えたときは、専門家である弁護士への相談をおすすめします。

犬に噛まれたときの対処法

犬カフェで遊んでいるとき、犬に噛まれてけがをする可能性がないとはいいきれません。そこで、噛まれてしまった場合の対処法を紹介します。

噛まれた部位の治療を最優先する

まずは、噛まれた部位の治療を最優先しましょう。けがをした場合は必ず病院に行って医師の診察を受けてください。

傷をそのまま放っておくと、雑菌が入って破傷風になってしまうおそれがあります。重症化を防ぐために、早めに病院を受診しましょう。

また、病院での診察がけがの程度を証明する記録になります。そのため治療費や慰謝料の請求などを行う場合には、その後の対応をスムーズに進めるために医師の診断が必要です。

請求の準備を進める

噛まれた本人が傷害保険に入っている場合、治療費や通院費が支払われる可能性があるため、加入保険の内容を確認しましょう。ただし、保険金を受け取ると、慰謝料請求の金額が減額になる可能性がある点には注意が必要です。

慰謝料請求を行う際は、念入りに準備をしましょう。大切なのは、証拠をそろえることです。例えば、医師が作成したけが診断書やけがをした部位の写真、目撃者の証言、治療にかかった費用を証明する明細書や領収書などを準備しましょう。

犬カフェ側と話し合いを進める際は、知識がないと話をうまくまとめられない可能性があります。そこで専門家である弁護士に依頼すれば、トラブルを最小限に抑えつつ慰謝料を請求する形で話を進めてくれるでしょう。

犬カフェで噛まれたら治療と証拠集めが重要

癒やしを求めて犬カフェで遊んでいるときに、噛まれてけがをしてしまう可能性はゼロではありません。その後の対応をスムーズに進めるためには、流れを把握するとともに専門家の力を借りる手段があることを覚えておきましょう。

出典

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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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