おみこし譲ります 住民「次の活躍の場を」 取手・台宿町内会 茨城

みこしの引き受け手を探している台宿町内会=取手市台宿

茨城県取手市台宿の台宿町内会が、夏祭りで使われなくなったみこしの引き受け手を探している。少子高齢化で担ぎ手がいなくなり、10年以上も倉庫に眠ったままだ。かつて新興住宅地だった同地区で住民の結束を固めたみこしは、次なる活躍の場を求めている。

同市は昭和40年代の高度経済成長期に首都近郊のベッドタウンとして発展してきた。JR取手駅東口近くの台宿地区も宅地開発が進み、東京に通勤する住民などで人口が増えた。

町内会では約50年前から7月に子ども会の夏祭りを開き、各地から転入して来た人々が交流する場となっていた。ほかの町内会や商工会からみこしを借りて練り歩き、にぎわった。

現在のみこしは約20年前に宝くじの補助金を活用して購入した。町内会で製作先を探し、刑務作業でみこしも作る富山刑務所に依頼した。高さ約1.3メートル、周囲は約4メートル、重さ約100キロ。大人約20人で担げるという。台車も付いている。

3月まで町内会長だった斎藤勝久さん(82)は「おみこしは住民が共同作業する機会となり、コミュニティーづくりに貢献してくれた。一定の役割は果たしてくれたので、次に活躍する場所が見つかればいい」と話す。

問い合わせは斎藤さん(電)090(2534)3015。

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