「日本人とつきあう予定はなかった」 人気YouTuberのドイツ人妻と日本人夫の馴れ初めとは

夫のタカさん(左)とレナさん【写真提供:LTブログ】

ドイツ・ミュンヘンで生まれ育ち、現在は愛知県名古屋市でインバウンド観光コンサル会社を経営するレナさん。2015年に日系ITコンサル会社に就職し、研修で未来の夫となるタカさんと出会ったことが、人生を大きく変えるきっかけとなりました。日独カップルとしてふたりで始めたYouTubeチャンネル「LTブログ」は、登録者数10万人を超える人気コンテンツに。そんなレナさんへのインタビュー1回目は、日本を好きになった理由とタカさんとの馴れ初めを伺いました。

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「美少女戦士セーラームーン」からハマった日本文化

レナさんが日本に興味を持ち始めたきっかけは、幼少期に観た日本のアニメでした。

「ドイツで放送されていた日本のアニメを観て、心をときめかせていましたね。なかでも好きだったのは『美少女戦士セーラームーン』です。幼少期にアニメと漫画の沼に落ち、いつしか日本文化への憧れを強くしていました」

セーラームーンのアニメを、吹き替えではなく字幕で観ていたことで、ドイツにいながら日本語に触れる日々だったそうです。

「200話ほどあるこのアニメを字幕で観て、自然と日本語が耳に入ってきました。『ああ、かっこいい言語だな』って思い、日本語を勉強したい気持ちになりました」

学校に通い始めると、友人とともに週1回1時間の日本語レッスンの受講を開始。アニメや漫画だけではなく、音楽や食など日本のさまざまなことに対し興味をかき立てられたといいます。

18歳で東京へ留学 初めて見た大都市・東京に歓喜

2010年、18歳になったレナさんは東京へ留学。6週間という短い期間でしたが、ホストファミリーの元に身を寄せ、日本語を学びました。

「私はミュンヘンの近くの村、田舎の生まれなので、ありえないくらい大きな東京の街が印象的でした。憧れの日本、憧れの東京、すべてが新鮮で感動でした」と当時を振り返ります。その後、ドイツに帰国して大学に進学。ビジネスの勉強とともに日本語や日本の歴史についても学び、在学中には大阪や京都に10か月ほどの短期留学もしたといいます。

卒業後は、日系ITコンサル会社のドイツ支社に就職を決めました。日本に関係する仕事をしたかったからです。

そして、新しい職場で運命の出会いが待っていました。

つきあい始めたきっかけは? 「アニメのような告白の言葉はなかった」

レナさんは入社後、新入社員の合同研修のために来日しました。その際に出会ったのがタカさんです。日本本社の新入社員として、同じ研修に参加していました。

「日常会話はできてもビジネス会話はそこまで堪能ではない私に、優しく接してくれた同期の中にタカがいました。その後、映画や日帰り旅行など休日に一緒に出かけるようになり、3か月後におつきあいすることになりました」

ちなみに「日本のアニメでよくあるような『好きです、つきあってください!』というような告白の言葉はなかった」とレナさん。つきあうに至ったきっかけは、なんと「話し合い」だったといいます。

「LINEでメッセージを交換し合っていたので、お互いの気持ちはある程度わかっていました。なので、つきあいたいのか、つきあいたくないのか、話し合った感じです。ドイツでは……普通、どうやってつきあうんでしょう? 私のように友人から恋人になる流れが多いような気がします」

ドイツに帰る予定だったが、誠実さと優しさにひかれて

実は、レナさんの日本での研修は1年間の期限付き。研修を終えたあとは、速やかにドイツに戻る予定でした。そのため「日本人とつきあう予定はなかった」というレナさん。そんなレナさんの心を変えたのは、タカさんの誠実さと優しさだったようです。

「1年後にはドイツに帰る予定だったので、逆につきあわないほうがいいとすら思っていました。でも、タカがいつもそばにいてくれて、かっこよくて、優しくて、おもしろくて、彼ならずっと一緒にいてもいいかな、つきあいたいかな、そんなふうに感じるようになり……で、つきあってしまいました」

そんなふたりに“追い風”が吹きます。ドイツ支社が閉じることになり、レナさんは研修後も日本の会社に残ることに。出会いから5年後、レナさんはタカさんと夫婦になりました。日独カップルが結婚するまでの道のりも、またユニーク。YouTubeを始めるきっかけになった世界一周旅行などについては、次回にお届けします。

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