「この競技で人は死ぬ」 体重超過に薬物違反もされた王者が悲痛「ボクシングは遊びじゃない」

ライアン・ガルシアと対戦したデビン・ヘイニー【写真:Getty Images】

体重超過ガルシアがドーピング陽性

ボクシングのWBC世界スーパーライト級タイトルマッチで勝利した挑戦者ライアン・ガルシア(米国)が、ドーピング検査で陽性反応を示したと米記者は報じた。前日計量でリミット140ポンド(63.50キロ)を3.2ポンド(約1.45キロ)も上回る体重超過を犯していたが、4月20日(日本時間21日)に王者デビン・ヘイニー(米国)に判定勝ち。度重なる問題を露呈し、物議を呼んでいたが、ヘイニーの怒りの声明も報じられた。

米スポーツ専門局「ESPN」のマイク・コッピンガー記者はXで「ESPNが入手したVADAの文書によると、ガルシアはヘイニーに番狂わせで勝利した日とその前日の検査でPEDオスタリン陽性と判定された」と報道。「ガルシアはBサンプルを検査してもらうよう要請できる期間が10日間ある。Aサンプルは19-ノルアンドロステロンも陽性と検査されたが、未確認だ」と速報した。

ガルシアは報道を受け、Xに「悪かったよ、これを摂取するべきじゃなかった」とストレス緩和のサプリメントの容器画像を投稿。一方、コッピンガー記者はヘイニーがESPNに寄せたコメントをXに公開した。悲痛な叫びを上げているようだ。

「残念なことにライアンはダーティに戦い、陽性を一度じゃなく二度も犯すというズルをしてファンとボクシングというスポーツを見下した」

「私はいつもクリーンな戦いを推奨してきた。今回もその例だ。ライアンはファンに謝罪しなければならない。しかし、彼の最近のツイートを見ると、彼はいまだにこれがジョークだと思っている。私たちは生活のため、人々を楽しませるために命を懸けている。ボクシングは遊びじゃない」

「このスポーツで人は死ぬ。これは冗談では済まない」

試合は、元WBC世界ライト級暫定王者のガルシアが3度のダウンを奪うなどヘイニーと打ち合い。112-112、114-110、115-109で判定勝ちしていた。

THE ANSWER編集部

© 株式会社Creative2