今からでも間に合う! 骨骨(コツコツ)『骨づくり』

5月2日は骨を構成する重要な成分の一つ「カルシウムの日」。そこで女性に欠かせない「骨」の健康に関する情報をピックアップ。将来のために、カルシウム+αでコツコツ骨づくりしませんか。

<取材協力>畠山整形外科スポーツクリニック 院長 畠山 昌久先生

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出典:リビングふくおか・北九州Web

骨が「強い」「かたい」って?

骨が強いというのは骨の密度骨の質が影響を与えています。建物で例えると、密度はコンクリートの部分質は鉄筋部分にあたります。ともに建物の強度を高めるには大事な要素であることが想像できるかと思います。

出典:リビングふくおか・北九州Web

実際には骨密度が7割、骨質が3割、骨の強度に影響を与えています。

年齢とともに、また特に女性は女性ホルモンであるエストロゲンが低下することで骨を吸収する「破骨細胞」が活性化するため、その影響で女性はより骨密度が低下しやすいとされています。

また、顔面の骨も他の骨と変わらず、萎縮するため、目や鼻のくぼみが大きくなり、あごが小さくなります。皮膚と骨は靭帯(じんたい)を介してつながっているため、骨が萎縮すれば、その靭帯がゆるみ、皮膚のたわみにつながります

骨量を増やすためにはどうすればいい?

骨の主成分であるカルシウムの摂取が必要で、60歳以上1日男性750mg、女性650mgを摂取することが推奨されていますが、実際の1日平均摂取量は500mg程度で不足しています。

カルシウムが多く含まれているのは、牛乳・乳製品や魚介類、海藻、豆類。しかし1日2500mgを超えて過剰に摂取しすぎると血液中のカルシウム濃度が上がりすぎて、異常高値になると不整脈を起こすなどの悪影響も起こすため、過度に摂取しないよう注意が必要です。

しかし、カルシウムは吸収の悪い成分で、腸から20~30%程度しか吸収できません。日光を浴びるとビタミンDが産生され、腸からのカルシウム濃度が上がります。食べ物でいうと魚、きのこの摂取が勧められています。

これらにより、上記の建物でいうコンクリートになるミネラルの材料が増えるわけです。ただし、いくら材料が増えても、骨を作ろうとする骨芽細胞を活性化させなければ栄養だけでは骨量は増えにくいものです。

そこで適度な骨に重力がかかった運動が推奨されます。宇宙飛行士は無重力空間で生活するため、骨粗しょう症の予防を兼ね毎日トレーニングをしています。

ウオーキングでは1日7000歩がそれ以下の人に比べると骨密度が高いというデータもありますので、通常生活にプラスして30分程度外を歩くのが良いでしょう。

重力をかける運動ではスクワットや片足立ちも良いと報告されています。

出典:リビングふくおか・北九州Web

骨質を高めるためにはどうすればいい?

上記の建物の例えでいうと鉄筋にあたる骨質はコラーゲンからできており、たんぱく質、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸の摂取がコラーゲンの形成に重要になってきます。それぞれ下記の食物に多く含まれているので、意識して摂取してみてはいかがでしょうか。

◆たんぱく質/肉、魚、卵、豆類

◆ビタミンB6/魚

◆ビタミンB12/貝類

◆葉酸/緑黄色野菜、海藻

骨を強くするために日頃から心がけたいこと

これまで述べたカルシウム、たんぱく質、ビタミン、葉酸の摂取と、1日7000歩通常生活に加えて30分程度の歩行を意識して生活してください。

残念ながら今の骨粗しょう症の薬に飛躍的に骨密度を上げる薬はまだありません。著明に低下してから上げるのは難しいのが現状です。したがって若い時から特にマイカー通勤や自宅で生活している人、デスクワークで仕事中も歩数が少ない人は、骨に重力がかかる場面が少ないため、骨が弱くなる前に維持しておくことが重要です。

「リビングふくおか」2024年4月27日号掲載

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