「最低でも」今後5年間はQBポジションに満足しているとファルコンズのアシスタントGM

アトランタ・ファルコンズからドラフト指名を受けたワシントン大学のマイケル・ペニックスJr.【AP Photo/John Bazemore】

アトランタ・ファルコンズがクオーターバック(QB)カーク・カズンズと4年1億8,000万ドル(約280億8,171万円)の契約を結んだ6週間後にドラフト全体8位でマイケル・ペニックスJr.を指名したのは、最も重要なポジションを固めるためだった。

チーム公式サイトによると、ファルコンズのアシスタントジェネラルマネジャーを務めるカイル・スミスは現地4月30日(火)に「最低でも今後5年間、私たちはこのポジションに満足している」と述べたという。

ファルコンズは移行プランがないまま元QBマット・ライアンと決別した経験をもとに、今回の決断を下している。

スミスは「2021年にああいう状態だったときは不安な気持ちだった」と明かし、こう続けた。

「テリー(フォンテノー、ジェネラルマネジャー/GM)と一緒に“さあ、私たちの将来はどうなる? 将来に向けてのプランは? この先どうやって固めていくんだ?”と話したときのことは忘れられない」

「今年や来年だけの話ではない。最低でも5年間の話だ」

この2シーズン、マーカス・マリオタやデズモンド・リッダー、タイラー・ハイニケを起用してきたファルコンズは、再び司令塔が定まらない状況に身を置かないことを目指してきた。ファルコンズはカズンズに1億ドル(約156億0,095万円)を保証し、先発に据えている。そして、このベテランが試合に出る前に、その後継者にトップ10指名権を費やした。

スミスはペニックスJr.の指名について「そういう選手になれると思うような選手をじっと見つめていたのは今年が初めてだ」と話している。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロはドラフト当日に、ファルコンズの動きはカズンズ陣営を驚かせたと報じていた。ファルコンズはドラフト全体8位指名権を使って、即座にスーパーボウル進出を後押しできるようなダイナミックな選手を加えるのではなく、将来的に必ず起こる移行を確固たるものにする動きに出ている。

この決断はチームにおけるカズンズの立場をすぐに弱くする可能性もある。それでも、ファルコンズはどちらのクオーターバックも気に入っていると主張し、その姿勢を擁護するために多額の資産をつぎ込む意思を表明してきた。

スミスは「カーク・カズンズを獲得するためにやったことは、私たちがカーク・カズンズの何を信じているかを物語るものだ」とコメント。

「彼はうちの先発だ。私たちは自らそう仕向けた」

「ドラフトではマイケル・ペニックスがいた。それは私たちが信じているクオーターバック――若きクオーターバック――だ。私たちはその引き金を引いた。それははっきりと言える」

再びQBポジションが不安定にならないようにするのは立派な目標だが、今回の動きは世間の人にとって受け入れ難いものだと言える。これはブレット・ファーブやアーロン・ロジャースがファンやロッカールームのメンバーと共に労力を費やしたグリーンベイ・パッカーズの状況とは異なる。ファルコンズの現状はカズンズがスナップを受ける前に銃を突きつけているようなものだ。そして、ドラフト10位以内でペニックスJr.以外の選手を指名する機会も損失している。

7日後に24歳となり、即戦力としてプレーできるように見えるペニックスJr.が、カズンズの退団後に長きにわたってチームの先発を担う選手になれば、ファルコンズは2024年に外部から受けた批判など気にもとめないだろう。しかし、そうならなかった場合、ファルコンズは別の道を歩んでいればどのような時を過ごして来られたのかと考えることになるだろう。

【RA】

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