【SNS特報班】平時の備え重要性訴え 「防災」アンケート 読者の声

地域での防災活動について話し合う、住吉地域まちづくり推進委員会防災部会の会員ら=宮崎市・住吉公民館

 宮崎日日新聞など九州4紙が「防災」をテーマに実施したアンケートでは、自然災害に伴う避難生活に対して不安の声が多数寄せられた。特に食料や水、電気などの確保やプライバシー、衛生面を懸念する人が目立ち、過去に避難所生活の経験をした人からは、平常時からの備えの重要性を説く声が上がった。一方、自らが住む地域全体の防災力を高めようと、具体的に動き始めている人もいた。
 記述形式で「避難生活で不安なこと」を尋ねると、門川町の団体職員女性(55)は「トイレや病気などの衛生、健康面を維持できるかが心配」と回答。西都市の会社員女性(38)は「持病持ちのため、薬の補充が心配」と不安な胸の内を明かすなど、持病や障害のある家族を連れての避難を心配する人も多かった。
 台風で小学校に避難したことがある宮崎市の主婦(53)は「周囲との仕切りもなく、寝ようにも眠れなかった」と吐露。「長期の避難生活を見越して食料や水を備蓄するきっかけになった。日頃から防災意識を高く保たなければならない」と訴えた。
 一方、同市の看護師、鳥居かおりさん(48)からは「住吉地域まちづくり推進委員会」の防災部会(矢野周一部会長)で、新たな取り組みを始めるとの報告も。「この地区での(過去の被災の)言い伝えなども調べて取り組んでみたい」と思いをつづった。
 地域の防災意識を高めようと、同部会は10月に防災フェスタを初開催する。熊本地震で1カ月間の避難生活を経験した矢野部会長は「被災時にはすぐに救援物資が届くとは限らない」と強調。「家族で集合場所を共有したり食料を備蓄したりする身近な備えはもちろん、地域全体で共助の意識を持ち続けることは不可欠だ」と語った。
 同アンケートの集計によると、自然災害に伴う避難生活の経験があると答えた人は、熊本地震などがあった熊本県在住者が59.7%と突出して高く、本県を含む他県は約1割だった。

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