あなたの知る井上航とは? 引退直前、チームメートらが証言 バレーJTサンダーズ広島

今季限りで引退する井上航

 バレーボールVリーグ男子1部のJTサンダーズ広島のリベロ井上航(わたる)が1日に大阪市で開幕した全日本男女選抜大会を最後に現役引退する。広島市安佐南区出身の29歳は「JT以外のユニホームを着ることは想像できない」と広島愛を貫く決断をした。華麗なジャンプトス、飾らぬ人柄で多くの人を魅了する一方、チーム一の人気選手は「俺には向いてない」と交流サイト(SNS)と無縁。守備のスペシャリストの素顔を関係者の証言からひもとく。あなたの知っている航とは―。

 プレーを間近で見てきた誰もが口をそろえるのは「バレーセンスの良さ」だ。同じリベロのチームメート唐川大志は「技術面では今でも自分よりうまいと思っている。ボールへの嗅覚、バレーIQはトップレベル」と話す。航のパスを受けてきたセッター阿部大樹も「ボールの勢いを殺したレシーブで、球の軽さが違った。ストレスなくプレーできた」と強調。広島・崇徳高、東海大で磨き上げた基礎技術が土台となっている。

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